諸々の原稿や取材に追われて、ブログの更新が滞ってしまいました。しばらくぶりに書くテーマは「中国人観光客の爆買い」についてです。
これをお読みになっている方の中にも、実際にデパートや量販店などで中国人による「爆買い」を目撃された方がいるかもしれません。当然、それは日本経済にとってプラスの材料となり、先に発表された2016年3月期企業の第1四半期(4~6月期)決算において、量販店などを中心にインバウンド関連企業の好業績が目立ちました。
そうした中、「爆買い」に関する興味深い調査があったのでご紹介します。、
プラネット(東京都)がこのほど実施した訪日中国人客の日本での買物行動について調査によると、まず、購入リスト・メモ作成に関しての質問では、「購入したい商品と、それらを購入できる店の詳細なリストを作った」が全体の45.4%と最多となったそうです。
自分で作らない場合でも、家族などからリストを渡されたという回答も多く、ほぼ9割が日本へ来る前に購入リストやメモを作成。“爆買い”は決して思い付きで行っているのではありません。
他方、その購入リストに挙がった商品では、半数以上の回答者が挙げたのは日本メーカーの化粧水・乳液などの基礎化粧品(55.7%)、日本メーカーの口紅・ファンデーションなどのメイクアップ化粧品(54.3%)となり、日本人観光客が海外旅行の際、香水ほか高級ブランドの化粧品を買い求めるのと同じようです。
そして、行きたい店舗リストに挙がった店舗の上位は、伊勢丹(52.7%)、三越(44.0%)、マツモトキヨシ(42.9%)、ドン・キホーテ(39.0%)、空港の免税店(31.3%)。これらのお店は、中国語表記や中国語が話せる店員がいる──などが理由として挙げられていました。実際に「買って良かった」と思ったのは、化粧品のほかでは風邪薬と答えた人が多かったそうです。
なお、調査は(1)中国本土でのインターネットによるアンケート調査、(2)上海でのグループインタビュー、(3)茨城空港での帰国直前の訪日中国人へのインタビュー──という三つの方法で実施されました。
”爆買い”を見るにつけ、日中関係は、今なお”政冷経熱”にあると言えるかもしれません。