終戦記念日になると、左右の両陣から論戦が繰り広げられるようになる。
既に冷戦の終結によって“左”は負けた・・・と見られがちだが、この場合の“左”は経済体制について。良き伝統を守る、という意味の、いわゆる「保守」が全面的に勝利した訳ではない。
「保守」とは何かを問われた場合、多くは終戦記念日で論じられる左右のうちの右・・・天皇制、国体といった日本が太古の時代から尊んできた思想を指すと思われる。が、それとは別に、経済活動においては自由経済を謳歌する・・・これも「保守」の考えと言えるだろう。
つまり、冷戦においては、反共と容共という国のあり方が問われていたが、その決着の形は、資本主義自由経済が社会主義計画経済に勝ったということに他ならない。
日本の良き伝統を守るという「保守」であるか否かという論戦は、そもそも国内においてのものだった。戦後長く、「自由経済」と「保守」が結びつき、冷戦で前者は勝利、後者に関してはまだ決着がついていないのである。
「自由経済」についても、政権交代後の民主党政権下で怪しい雰囲気が漂い出してきた。そうした中、保守系政治家の1人である私は、良き伝統を守ると同時に、自由な経済活動を阻害する勢力を除去するよう努める・・・終戦記念日を迎えて、改めて心に誓った。
(水野 文也記す)