【真実を発信62】千葉県県営住宅長寿化計画

千葉県では、既設県営住宅において、予防保全的な管理や改善の実施等長期的な視点に立った維持保全活動を行うことによって、安全で快適な居住環境を確保しつつ、長寿命化による更新コストの削減と、事業量の平準化を図ることを目的に、千葉県県営住宅長寿命化計画を策定しました。

それによると、計画期間は平成23年度から10年間。県営住宅を対象に、上記のようにライフサイクルコストの削減に努めます。住棟は、公営住宅法施行令で定める、耐火構造70年、準耐火構造45年の耐用年限まで使用することを基本としていますが、計画期間中における活用方法に関しては、原則築年(経過年数)におうじて、修繕、改善、建替え、配信の判断を行い、ストック活用手法については、地域の実情を十分考慮して判断するものとしました。

など、計画期間中は、県の財政状況や社会経済状況などを考慮し、土地を新たに取得して県営住宅を建設することはしません。既に取得している県営住宅用地については、当該地域の管理戸数の増減等に配慮した上で、地域の実情に応じて計画的に事業を推進します。

目標とする県営管理戸数は、計画時の19536戸(維持管理予定約18200戸=修繕予定約4700戸、改善予定約13500戸でうち移管交渉約100戸、建て替え予定約460戸で用途廃止約100戸、解体予定約840戸)に対し、10年後は約18900戸(維持管理約18100戸=公営約17700戸、改良約300戸、その他約100戸、建替え整備個数約360戸、新規供給約480戸=既取得用地約140戸、建替え事業用地約340戸)としました。

今後、高度成長期に建設された住棟を中心に、老朽化が問題となってきますが、財政が厳しい中、計画に沿って、県営住宅の効率的な維持管理を目指すことになります。とりわけ、近い将来、昭和40年~50年に大量供給された住宅が更新期を迎えるため、早急な対策が求められていました。

昭和30年代の老朽化した住宅は原則として建て替えを行いますが、40年代、50年代、60年代以降と築年数ごとに、状況に応じた維持管理を行い、長寿命化によってコスト削減を図り、厳しい財政事情に対応した住宅政策を実施することになります。