今日は、総合企画水道常任委員会を傍聴しました。水道局も含まれるため、先に起きた水道水のホルムアルデヒド問題を質問する議員が多かったです。
去る5月、利根川上流において排出されたヘキサメチレンテトラミンが原因物質とみられるホルムアルデヒドが千葉県のほか、埼玉県、群馬県の浄水場で検出された訳ですが、本県では野田、柏、我孫子、流山、八千代の各市で断水となりました。
この問題に関して、当局は情報連絡体制、給水体制、広報体制などに課題があったと指摘。とりわけ、情報連絡体制については、河川に有害物質が混入した場合、上流から連絡が行き届く体制でしたが、今回の1件はホルムアルデヒドそのものが河川に混入したのではなく、浄水場で塩素が加わったことにより発生、今までの定義では水質事故ではなかったことが、不備に繋がったとのことです。当然、この点の改善が急がれます。
また、給水体制も機能したとは言えないとし、具体的には職員の配置不足、地域によっては給水量が少ない・・・を改善点として挙げていました。さらに、広報体制も、広報車の走るスピードが速い、ホームページにアクセスできない・・・などの課題が浮上しています。
最も、今回の問題で注目されたのは、同じ水系の浄水場で、方や取水制限を実施、方や実施せず・・・と分かれた点でしょう。地域にある浄水場によって、行政サービスに差が生じた訳です。
その理由は、浄水場の設備が、高度処理による取水か、従来方式の取水か・・・の違い。野菊の里浄水場は、高度処理を行っているため、取水制限が行われなかった反面、隣接する栗山浄水場は取水を取り止めました。
現在、県内に46ある浄水場のうち、高度処理を行っているのは9か所。今回の件で、高度処理浄水場の効果が実証されたため、急ぎ、従来方式から高度処理への移行が、対策として急がれることになります。
しかし、この移行するために必要な事業費は約300億円・・・厳しい財政の下では、簡単に進めることができません。たとえば、昭和33年に稼働開始し老朽化している栗山浄水場は、事業費だけではなく、現在の敷地では高度浄水処理施設を設置するスペースがないのです。そのため、段階的な移設などを検討するとのこと・・・さらに、更新する必要がある浄水場が多いため、優先順位など予算以外にも解決すべき課題が多い案件になります。
県は、高度浄水処理を順次導入する・・・方向性を示していますが、私も、この問題について今後も考えていきたいと思っています。