21日、22日の2日間、千葉県議会議会運営委員会で長崎県議会、三重県議会を視察しました。
千葉県をはじめ都道府県議会のほとんどは、年4回の定例議会を開催していますが、伺ったこれらに加え、栃木県議会の3つの議会は、国と同様、通年議会を実施しています。千葉県も議会改革を進めるにあたって、通年議会の導入も課題として浮上しており、導入の是非を議論するために、今回は先進地である長崎、三重両議会を視察、説明を受けました。
通年議会については、開催日数の増加によって議論がより深まる点や、閉会期間に浮上した案件についてスムーズに議論が出来るといったメリットがある一方、事務処理やコストが増加するといったデメリットが指摘されています。
実際、両議会にいおいて委員会における議論が活発化した反面、速記翻訳料の増加などコストがアップしています。ただ、コスト増に関しては、両議会ともに費用弁償の見直しなど削減も同時に進め、コスト増を最低限に抑えるよう努めました。たとえば、長崎県議会では、費用弁償に手を付けなければ初年度に約2700万円のコスト増となるところ、約1200万円の増加で済んだとしています。
委員会においても、長崎県議会では参考人招致数の増加が示すよう、会期日数の増加で議論が従来より活発化。三重県議会でも同様の調査報告があり、県民の意見を審査に反映できるようになったと総括しているほか、知事の専決処分が皆無になったとしています。千葉県議会においても、かりに導入する場合、コストをどうするかという点で議論の余地がありますが、議会の機能が強化されるのであれば導入すべきとの感想を抱きました。
今回の両議会への視察で感じたのはそれだけではありません。議会運営について千葉県は改善すべき点が多いと思いました。
たとえば、質問に関して両議会とも、一問一答形式で行うことができ(現時点で長崎県は一括質問との選択制だが、一問一答方式に統一される)ますが、千葉県で一問一答方式は予算委員会をはじめ各常任委員会のみ。本会議では一発質問で行わなければならず、本会議がセレモニーにようになってしまいがちです。
長崎県では一問一答で質問を行う際、知事ほか当局に反問権が付されており、これによってより議論が活発化することになります。また、ハード面においては、三重県議会の本会議場には大きなスクリーンが設置されており、プロジェクタを使用しての質疑が可能。千葉県では、議員が資料を使用して質問する時は、ペーパーを議席のみ配布しますが、プロジェクタを使用すれば、傍聴席からも資料を見ることができる上、資料作成費の削減にも繋がります。
委員会の開催日数にしても、年4回の現行制度でもスケジュールが過密になりながらも、総選挙に被るために開催期間を短縮した昨年12月議会の例をみる限り、物理的に増やすことも可能。参加した議員の中からは、通年議会のみならず、改善点があることが認識できた・・・そういった声が少なくありませんでした。
今回の視察は、最大多数の自民党から共産党まで全会派が参加。すべての会派が問題を共有できたという意味で、実りが多い視察になりました。今後の議会改革を進める上で、私も参考にしたいと思っております。
蛇足的ながら、今回視察した長崎県議会は自民党が分裂、三重県議会は自民、民主系の勢力が拮抗、さらに、栃木県議会では前回の選挙で、みんなの党が第2会派に躍進・・・地方で多くみられる自民優位の議会の勢力図と異なっている点を挙げることができます。議会改革を進める上でも、みんなの党の勢力を拡大する必要があると感じました。