【記者魂37】鉄道立体化は息長く、粘り強く・・・

昨日、所用があって下北沢駅を訪れた。筆者にとって、この街は20代に住んだことがある懐かしい場所。たまたま、昨日は小田急線下北沢駅が地下化され、周辺にあった“開かずの踏み切り”の問題が解消されたのである。

私が住んでいた30年近く前、既に沿線には地下化と同時に進められている複々線化事業を進める土地が少なからず買収されていた。この当時から、いつかは小田急線は複々線となり、混雑が緩和される・・・そう期待していたのを憶えている。今回の地下化で工事は終了する訳ではなく、下北沢駅が2層式の地下駅となり複々線化されるのは2017年度とか。住んでいた時には、完成がこんな先になるとは思ってもいなかった。

用地買収など周辺との交渉のほか、巨額な予算をはじめ、複々線化や地下化や高架化など立体化事業を進めようとすると、その課題は少なくない。なかんずく、鉄道事業者が豊かであればいいのだが、都市計画とリンクして自治体も支援するとなると、都市部の鉄道の場合、地価の高い地域を路線が通るため、予算の問題で躓くことになる。

用地や予算の問題が解決しても、運行しながらの工事は条件が厳しい。下北沢駅のある東北沢~世田谷代田間の事業は、下北沢駅が井の頭線と交差する上、周辺の土地単価が高いため、地下2層という難工事となり、04年9月7日の工事着手からも約8年半経過・・・とにかく複々線化や立体化は難事業なのだ。

さて、この下北沢駅を見て思ったのが、筆者の地元である京成本線の京成八幡駅周辺のことである。駅に接する菅野第5号踏切は、朝夕ラッシュ時は人と自転車の行き交いが激しく、事故が起きる心配が大きい。その解決策としては、踏切の拡幅や駐輪場新設などが市川市から提案が示されているものの、これは暫定的と言っていいだろう。やはり、ベストは京成本線を地下化か高架化のいずれか立体化することと言える。

外かんの受入れに併せ「京成本線の連続立体交差化については実現に向けて努力するよう」県へ要望、行徳橋などと架け換えと同じく、いわゆる9分類22項目の中に明記されているのだが、進む気配は感じられない。筆者などは京成電鉄の船橋高架化工事が始まった際、「次は市川の番」と期待したものの、現実に進んだのは墨田区にある押上線の高架事業・・・県当局の見解も厳しいのが現状だ。

しかし、諦めてはならない。誰かが言わなければ、いつまでたっても事業が進まないのも事実。そのため、私は何とか京成本線の立体化・・・時間はかかるかもしれないが、それこそ執念深く取り組むつもりだ。鉄道立体化は息長く、粘り強く・・・下北沢駅を見て、政策の1つとして頑張りたい・・・改めて決意した次第である。