【真実を発信292】茂原の水害対策は入梅までに・・・県土整備常任委員会視察

県土整備常任委員会のメンバーは、委員会の終了後、県内視察を行いました。視察先は、車上からの見学も含め、長生グリーンライン、一宮川第2調節池、茂原市八千代地区水害現場、日進橋土砂撤去現場、一宮川未買収地(共有地である中の島)、かさ上げが予定される九十九里有料道路です。

中でも、昨年の台風による水害でダメージを受けた茂原市内の視察は、今後の政策を考える上で大変参考になりました。田中豊彦市長も駆けつけ、説明をして下さり、この場を借りて市長に感謝致します。

茂原市は、昨年の台風26号で市内を流れる一宮川が氾濫。中心部が広範囲にわたって水深50cmから1mの洪水に見舞われました。

降り始めからの雨量で、ピークが後半に集中、本来、機能するはずの中心部から上流にある第2調節池が、その段階では既に満杯となり、池によるピークカットが困難な状態になっていたそうです。異常気象とも言える、最近の豪雨に対し防御するためのインフラが耐え切れなかったと言っていいでしょう。

さらに、一宮川は1Kmで標高差がわずか3mと、川の流れが緩いことや、茂原市内の中心部は地盤沈下によってすり鉢状の地形になっていたことも被害を大きくしたのです。

堤防の整備、調節池の新設・・・など施策に関し、その土地土地の地形を考慮、より地域の実情に合った対策を根本から考えねばならない・・・現場を見て改めて実感した次第です。

もう1つ、茂原市内で対策を進める上での問題点に注目しました。それは、一宮川の中州を壊して水の流れを良くしようとしたところ、その中洲が共有地であり、買収が進まない点です。一宮川の女行で未買収地が7397㎡ありますが、ここは土地名義人143人、その相続人が711人いる共有地。このうち509人から持ち分を取得しましたが、残り202人は所在不明者もいるため難航しているとのことです。この問題は、千葉県だけではなく、全国的なものであるため、共有地の公共の福祉に沿った買収が進めやすくするように、国に制度、法改正を働きかける必要があるでしょう。

一宮川の県による治水対策に関しては、土のう積みによるい堤防かさ上げ、堆積土砂の撤去、竹木伐採などを早急に実施しており、これらは今年の入梅までに終了させる予定。また、今後のさらなる対策としては、第2調節池の改修、調節池の増設、河道拡幅などを県では進める方針です。