【真実を発信400】個人所有文化財をどう保存するか、永井荷風の書斎は・・・

政治家の仕事に季節ごとの挨拶がありますが、純粋に議員という立場でみれば、これは仕事とは言えません。その意味に今回のブログで記す内容が、私にとって実質的に初仕事と言えそうです。

昨日、永井荷風邸にお邪魔しました。事務所のそば、市川市八幡にある荷風邸は、現在、お孫さん一家が住んでいます。その書斎は荷風が亡くなった時、そのままに半世紀以上もの長期間にわたって保存されており、貴重な文化財と言っていいでしょう。

この保存、管理しているのは、もちろんお孫さん一家。貴重な文化財でありながら、個人所有の住宅であるため、行政はタッチしていません。

建物は老朽化しており、いずれは建て直すことになる訳ですが、この時、書斎をどうするか・・ここが問題になってきます。普通の建替えなら解体して更地にし、新たな住宅を建設するだけ。しかし、この書斎を保存しつつの建替え、或いは移築・・いずれもコストがかかります。貴重な文化財を保存するために、果たして個人の負担に頼っていいものかどうか・・。

こうした例は少なくないでしょう。多くは個人所有で、個人によって保存がなされていますが、例えば、所有者が経済的な理由で保存、管理に耐えられなくなり、解体、廃棄などとなれば、その時点で貴重な文化財が1つ失われることになります。そうならないように、行政がサポートする仕組みがあっても良いのではないか・・そう思いました。

地元市川では、永井荷風の書斎だけではなく、ゆかりある作家、芸術家が数多く住んでいたこともあり、文化都市市川を市としても標ぼうしているだけに、財政的に厳しい中でも何とか工夫したいところです。この点に関して、議会で取り上げることにしました。

永井荷風の書斎のほかにも、故井上ひさし先生のご遺族の方が管理している遺品の数々も後世に残したい・・そう思い活動を続けて参ります。

_(16)