まもなく、9月定例議会が始まります。本会議の召集日は21日ですが、既に各党向けに議案説明会が行われ、昨日14日には議会運営委員会が開催、各種勉強会も活発化するなど、実質的に議会はスタートしていると言えるかもしれません。議会が始まる前ですけど、勉強会などを通じて感じたこと、考えたことなどをお伝えしていきます。
阪神大震災後に千葉県では、既設橋について耐震対策を行ってきました。昨年度末現在で、必要と判定された263橋のうち補強され対策済みとなったのが183橋。これを差し引いた80橋が未対策となっています。
重要な橋梁(優先橋梁)と位置づけられている橋に限って言えば、206橋のうち183橋が対策済み。重要な橋梁とは、優先順位が高い順に(1)跨線橋(線路を跨ぐ橋)、(2)跨道橋(2車線以上の市町村道を跨ぐ橋梁)、(3)県境橋梁、(4)緊急輸送道路に架かる橋梁のうち橋脚を有する15m以上の橋梁を挙げています。
ただし、重要橋梁であっても、架け替えの対象となっている橋については、補強の対象にはなっていません。それらは10橋あり、うち3橋は架け替え済み。残り7橋は事業中、つまり、架け替え工事が行われています。
対策の対象となっている橋のうち、重要橋梁を除く残りの57橋については、重要橋梁の補強工事があと3年程度で終わるため、その後の順次、工事を行って行く予定。ただし、架け替え予定の橋梁に関しては、耐震対策の中に含まれていません。新たに橋を架けるのに補強工事は不要となるためです。
架け替えが行われることになった行徳橋もその1つ。対策に含まれていないことが、架け替えの担保となる格好です。しかし、耐震への注目度が高まる中、対策が済んでいない橋は、補強工事や架け替えが終わるまで、安全に対する不安があるのは言うまでもありません。
それまで、県はこれらの橋についてパトロールの強化などで対処していくとしていますが、ここで求められるのは、予算の増額等で速やかに補強や架け替えを行うことに尽きるでしょう。財政難の折、ひじょうに難しいながら、命にも関わってくる問題だけに、工夫が必要となってきます。
さらに、耐震対策が必要でありながら、どの橋が対象となっているのか、周知が徹底されているとは言い難い状況です。もちろん、不安を煽る必要はありませんけど、いざという時、周辺住民は知識として蓄えておくことに越したことはありません。工事の状況など今後の見通しなどを含め、情報をよりオープンにしていくことを働きかけたいと思います。
(水野 文也記す)