今日は県庁において、みんなの党の千葉県第1区支部長に元レアメタル商社マンの西野元樹さん、第5区支部長に江戸川区議の木村長人さんがそれぞれ就任したことについて、記者会見を行いました。政務調査関係を含めて千葉県に関わる項目に関しては、県議団の広報を担当している私が進行役の司会を務めることになっています。
政務調査に直接関係の無い会見の内容に関しては、裏ブログの方に後ほど記しますので、そちらを読んで頂くとして、県政記者室を覗いたこともあって、今回は記者クラブの家賃問題を取り上げます。これに関しては、予算委員会で質問として取り上げた際、本ブログで1度、さわりだけ記しました。
県政記者室、いわゆる記者クラブは県に対して家賃を払っていません。別に、これは千葉県に限ったことではなく、中央省庁や他の自治体の多くが同様に家賃免除措置を取っています。
その根拠というのは、たとえば、千葉県の場合、県の広報という公的な業務を行っている点が挙げられています。さらに、司法の判断や財務省の通達に倣っている・・・そのように質問の答弁がありました。
公的業務と言えば、千葉県の指定金融機関として公金を扱う千葉銀行が県庁内に支店を構えていますが、こちらは家賃を徴収、県庁内の郵便局も家賃を支払っています。これらと記者クラブの違いは、銀行や郵便局は公的業務以外に多くの人が支店内に出入りをする・・・というのが理由として挙げられていましたが、マスコミも金融機関も営利企業としては同じ。利益供与となる点を踏まえれば、本来は払ってしかるべき…と質問の際に主張したのです。
県有施設を賃貸し、まじめに家賃、使用料を払っている他の機関との公平性からみて、合理的な理由が乏しい中で免除している例があるのは、「あそこは払っていないのに、なぜ、こちらは払うのか」・・・といったように未納や滞納を助長する要因になるのではないでしょうか。
今日の記者会見もそうでしたけど、記者やカメラマンの皆さん、一生懸命、仕事をされています。私も、現役の記者時代も、会見の際は、一言一句聞き漏らさず、事実を読者に伝えようとしました。取材対象が、公的であっても、私的であっても、ジャーナリストたるもの、その姿勢は変わりません。県の広報、今回は県に直接関わりがないながら、県で起きる事象について、読者に伝えようとマスコミの関係者は切磋琢磨しているのです。
しかし、それと家賃問題は別のこと。取材先に遠慮することなく、しがらみがなく報道する・・・ジャーナリストの持つべき姿を原理的に貫こうとするのであれば、本来なら利益供与となるべきこと、自ら辞退すべきである・・・そうマスコミOBとして思うのです。
実は、記者クラブ、東京証券取引所の兜倶楽部や、日本銀行の記者クラブは家賃を支払っています。筆者も幹事を務めた経験もある兜倶楽部については、過去は家賃を払っていませんでしたが、東証側からの申し入れによって、以後、払うようになりました。クラブ総会においても、家賃を払う必要無し・・・という反対意見は無かったような気がします。
記者の良心から、申し入れをすれば、必ずや県政記者室も応じると思います。それを敢えてしないのは、怠慢と言えるのではないでしょうか。思わず、予算委員会で口に出てしまいましたが、「千葉県の財政は厳しい」と書いて自分は家賃を払わず厳しい財政の一因になっている・・・こんな悪い冗談は、もうやめましょう・・・そう考えています。
マスコミは“第4の権力”と言われています。「つついて、おかしなことを書かれたら大変」・・・といった心理が働くためか、行政は言うまでもなく、保守系から左の勢力まで政党も、ある種、タブーのように、マスコミについては触れません。記者クラブの家賃問題も、聖域視されているように思えました。私は、自分がマスコミ出身者で、所属する記者クラブが家賃支払いを決定した際、積極的に賛成した経緯もあることから、また、マスコミ関係者の皆さんが、少しでも後ろめたい気持ちを持たずに仕事をして欲しいという願いから、この問題に切り込みました。
党内では、同じ未払い案件として、各自治体の議会で労働組合の家賃問題を取り上げる仲間が多いですが、「払っているところとの公平性」を考慮するのであれば、記者クラブに関しても取り上げるべき・・・そう訴えかけたいと思っています。そうすれば、一部で言われるような、“組合叩き”のためという批判も交わせるでしょう。
今、勢いのある橋下徹大阪市長は、雑誌メディアでバッシングされながらも、選挙で勝利しました。本当に政策や行動が評価されるのであれば、捻じ曲がった格好で“書かれて”も、有権者の支持を得ることができるのは、橋下市長が実証しています。タブーを恐れていては、改革はできません。
今日、これをブログに記した理由は、記者会見のほかに、もう1つあります。県庁内でとある住民の方から、記者クラブの家賃未払い関して監査請求を行い、その証拠書類の1つとして私が予算委員会で質問した時の議事録を提出したと聞きました。こうした動きが出る手助けになって良かったと思っています。