「アクアライン、800円継続」・・・このニュースは、千葉県経済を成長させるための施策を進める身にとって、思わず万歳三唱をしたくなるほど嬉しいニュースだった。
各紙が報道したところによると、国土交通省は12日、普通車片道800円への割引が来年3月に終わる予定の東京湾アクアラインについて、千葉県が必要な財源の一部を負担することを条件に、割引を続ける方針を固めたという。千葉県の負担額は明らかになっていないものの、今後の発展に対する期待の大きさを踏まえれば、費用対効果で有効な予算措置になると私は考えている。
木更津にあるアウトレットが引き続き繁盛する要因となるほか、県南の観光に貢献、そして、最も大きいのは県中央部への事業者誘致の起爆剤になる点だろう。
観光者にとって朗報となるが、これらは、言わば”一見さん”のようなもの。本当に効果が大きいと思われるのは、年に数え切れないほど大型車両が定期的に往来する京浜地域との物流だろう。通行料が大幅にアップし輸送コストが跳ね上がるようでは、企業が県中央部への進出をためらうことが想像に難くない。アクアラインの通行料金を安く据え置かなければ、千葉県経済は大きな打撃を受けると心配していたのだ。
実をいうと筆者は、森田健作知事が国に要望した現場に立ち会ったことがある。圏央道推進議連に属する私は、毎年、圏央道の建設促進に関する要望活動に参加。今年初めの活動では、太田国土交通大臣に要望する際、森田知事も同席し、その際、合わせて800円継続を訴えかけた。
太田大臣は、知事との会話で理解を示したものの、800円継続は厳しい・・・そんな印象が強かった。それは、同省の道路関係の幹部に要望した際、「あれは安過ぎるのでは」・・・という声を発し、なるほど、国は引き上げを念頭に置いていると感じたためである。
ところが、フタを開ければ、今年も継続。要望の現場をこの目で直接見ているだけに、森田知事のご努力に敬意を表したい。しかし、国の本音は料金を引き上げたい・・・そういった印象があり、来年度が継続となったところで油断をしてはならず、引き続き”800円継続”を訴えかける必要があろう。
蛇足で記すと、筆者の地元に圏央道は直接関係ないが、この議連に加わって良かったと思うのは、こうした要望活動の場に同席できるという点だ。道路局の幹部に要望する場で、名刺交換で挨拶する時に「市川の外環工事に絡み行っている国道の拡幅工事を急ぎ進めて下さい」・・・などと地元の案件をこっそり要望してしまうのである。少しでもチャンスがあれば、モノにしようと努力する・・・今後もこうした場を最大限活かすようにしていきたい。