本日は、年に5回ほど開催される、みんなの党政調会長である水野賢一参議院議員が主催する政策セミナーに出席しました。第14回となる今回の演題は「エネルギー基本計画への提言」です。
講師をされたのは、公益財団法人である自然エネルギー財団(JREF)で常任理事をされている大野輝之氏。大野先生は、東京都環境局長を務め、ディーゼル車対策の立役者であったなど、東京都の環境政策に取り組まれてきました。
政府は年明けに新しい「エネルギー基本計画」を閣議決定する予定ですが、それに対して5つの提言をまとめられています。
具体的に挙げていたのは、(1)原発からの脱却を進める、(2)気候変動の危機に立ち向かう、(3)エネルギー転換による新たな成長を目指す、(4)「原発+石炭」から「天然ガス+自然エネルギー」への転換、(5)分散型エネルギーシステムへの転換・・・の5点でした。
とりわけ、原発に関して、推進派が“コストが安い”ことを理由にしていることを、将来のことを考慮すべき・・・という点を強調しています。
原発は、安全対策をすればするほど建設費がアップ。東日本大震災を契機に安全対策に関心が集まる中、建設コストが上昇すると想定されます。大野先生は「今すぐ建設するのであれば原発はコストに見合う」と指摘されていましたが、原発は耐用年数を経過すれば当然、建替えが必要・・・その際、廃炉や安全対策が現在よりべらぼうに高くなると想定され、将来のことを考慮すれば、石化発電所の方が安くなると分析されていました。
現状では、原発をストップしても、廃炉や放射能廃棄物処理など、解決すべき問題は残るでしょう。そのコストがかかるのなら、原発を継続させた方が良いとの意見も出てきそうですけど、運転費だけではなく、将来的なコストを踏まえると、原発は経済合理性に難があると大野先生は指摘していました。
何事においても、決して足元だけでは判断してはならず、今を生きる政治家は孫子の代まで責任を負わねばなりません。安全性は言うに及ばす、将来的なコストからも脱原発を進めるべきと考えられます。