【真実を発信272】特殊詐欺、「自分は大丈夫」が一番危ない

振り込め詐欺のほか、未公開株詐欺、悪徳商法などの犯罪を総称して特殊詐欺と言います。これについて先日、県警本部の担当者の方からヒアリングをする機会がありました。そこでは熱心にこの問題に取り組まれている内閣府多重債務問題及び消費者向け金融等における懇談会の審議委員を務めている浜田節子さんも同席。今回はヒアリングした内容について報告します。

その感想を先に記すと、「自分は大丈夫」と思っている方が一番危ないという点でしょうか。たとえば、振り込み詐欺は「オレオレ詐欺」と言われた時代に比べると、かなり巧妙化。新たな手口に対処すると別の手口が・・・。また、“親子の情”など人間の弱い部分を巧みに突いてきます。未公開株詐欺など金融詐欺については、知識が乏しいところに巧妙な手口で仕掛けるため、騙されたことさえ気付かず、長期間にわたって被害に遭うケースも少なくありません。

昨年1年間に起きた振り込め詐欺や未公開株詐欺など特殊詐欺の認知件数は、839件と前年に比べて109件増加。被害総額は31億8956億円で同9億3370万円増と、1件あたりの高額化が目立ちます。この背景については、ATMの規制強化から引出しが窓口に移行しているほか、金融関連の詐欺についてはすぐに気が付かないなどを県警では理由に挙げていました。

千葉県では、森田知事が先頭に立って防止策に取り組んでいます。金融機関との連携やコールセンター事業、さらには、迷惑電話チェッカー事業を行うウィルコム社との提携、ホームページやポスター、チラシなどを通じた啓発活動などを行っていますが、効果も出ています。

たとえば、振り込め詐欺については、金融機関との連携で、一昨年から各金融機関の店舗から1~2名が警察署内で研修を受け、防犯指導員を委嘱。その人たちが、防犯のノウハウを店内で周知させることによって、“最後の砦”となる窓口で防ぐようにしています。いわば、水際作戦とでも言えるでしょうか。実際、これによって昨年は303件、未然に防ぐことができました。

認知件数は増加していることから、今後もこうした施策を拡充する必要があるのは言うまでもありません。特殊詐欺の撲滅に向けて、私も取り組んでいきます。