1か月近く行われた9月定例議会は本日で閉会です。補正予算を含む26の議案はすべて可決するとともに、第97号~第102号の請願も全部可決となりました。
閉会日のハイライトは、自民党が上程しました「千葉県議会議員定数及び選挙区等に関する条例の一部を改正する条例案」です。定数・選挙区見直しに関しては、これまで委員会が開かれ議論されてきたのですが、最大会派である自民党の意見がまとまらず、その結果、上程されたのは、ほとんど条例文は変わらず、制度そのものは現行のままとなりました。
報道されましたように、去る8月4日には、その当日までに意見を集約すると約束した自民党が、結局まとまらなかったことで、開催直前に委員会が流会となる前代未聞の事態が発生。県政史上で汚点を残すことになったのです。
今日の本会議では条例案(写真で掲載)について、提出した自民党が趣旨説明をした後、共産党の丸山慎一議員(船橋市選出)の質問を経て、民主党、公明党、共産党、市民ネット・社民・無所属、みんなの党の順に討論を行いました。討論した会派はすべて反対の立場です。国では自民党と連立を組んでいる公明党も、友党であるにも関わらず強硬に反対。党内事情を優先したとも言える自民党に対し、各会派とも怒りをぶつけたと言えるでしょう。
みんなの党では、私が討論を行いました。我が党は結党以来、行政改革の一環として議員定数削減を強く訴えてきた経緯があり、この点に関して決して譲れるものではありません。定数見直しを議論しようとすると、ポピュリズム、パフォーマンスといった批判を受けることもありますが、厳しい財政下では身を切る施策が必要であり、その点を強く訴えました。
県民に負担を強いるような施策を打ち出す場合、議員や職員が何も変わらないでは、ご理解を得ることはできないでしょう。千葉県のリーダーとも言える議会が率先して身を切れば、厳しい財政を乗り切るために諸施策をスムーズに進めることが可能になります。
残念ながら、現在の千葉県議会では自民党が過半数を占めており、自民党がモノを言えば、そのまま通る状況。この条例案は、自民党と1人会派である、いんば無所属の会のみ賛成。民主党、公明等、共産党、市民ネット・社民・無所属、みんなの党、千葉県民の声、生活、共生の各会派が反対しましたが、賛成多数で可決、これによって、来週の県議選は定数が削減されないだけではなく、飛び地や逆転区、1票の最大格差2.51倍は何ら是正されることなく、現行定数・選挙区で実施されることが確定しました。
なお、条例案には附則として、次々回に向けて来春の選挙後、速やかに抜本的な定数・選挙区の見直しを行うと明記しています。自民党は趣旨説明において、現行制度の維持は、選挙区見直しの基準となる前回の国勢調査から人口が大きく変動していることを理由として挙げました。その上で、次回調査(2015年)の結果を踏まえて見直すと明言したものの、前任期においても同じ議論がなされ、結局、今回も変わらなかっただけに、附則が実行されるかどうか疑問視する声が少なくありません。
附則に記した通り実行されなければ、議会が県民の信頼を失ってしまうのは想像に難くありません。現在、いろいろな意味で地方議会、地方議員は、これまでになかったと言えるくらいに世間の注目を集めており、それだけに危機意識を持って定数、選挙区の見直しに関して取り組むべき課題であると言えます。
さて、9月定例議会は閉会となりましたが、1か月半足らずで12月定例議会が始まります。現時点では、会期は11月26日~12月19日を予定。今任期中の議会も残すところ2回だけとなりました。