昨日傍聴した市川市議会の質疑の続き。寒川一郎議員が質問、学校教育部長が答弁した「いじめ問題」と「中学校の武道必修化」について記します。
いずれの問題も昨年の9月議会における代表質問で取り上げました。今年度からスタートした武道必修化は自分が質問した際、安全面に不安を感じたのでその点を中心に質しましたが、市川市の取り組みが聞けて良かったです。
さて、いじめについてですけど、先に千葉県では、平成23年度のいじめ認知件数が国公私立合計で7452件と全国でワースト2位になったと発表。衝撃が走ったばかりです。
ただ、いじめの認知件数については、多いことが必ずしも悪いとは言えません。慎重に、きめ細かにリサーチすればするほど、認知件数が増えるのは当然。隠ぺいは論外としても、調査を甘めにすれば件数は相対的に少なくなります。ワースト2は恥ずべき結果なのかもしれませんが、それだけ千葉県内では徹底的にチェック・・・つまり、大津市のいじめ事件のように、いじめがありながら当局が認めようとしなかった・・・こんな事態が千葉県では起きないとみることができるのです。
さて、市川市内のいじめの現状ですが・・・。平成23年度は、小学校が198件で前年から大幅減少、中学校が189件と減少傾向、との答弁でした。解消率は小学校が96.9%、中学校が93%だそうです。
そして今年度ですが、大津市の件もあって、各学校できめ細かな対応をしたとか。その結果、数字的には激増し、現時点で小学校が385件、中学校が202件、解消率は小学校が70.4%、中学校が70.8%です。
内容別では、ひやかし、からかい、仲間外れといった古典的なものが上位に並びますが、中学校では携帯・PCなどネット上での誹謗・中傷が20件ほど報告されました。保護者や学級担任への生徒からの訴えのほか、アンケート調査で発覚するケースもありますが、中には誰にも相談できずにいる生徒も少なからずいるそうで、市では「訴えられる環境づくり」に努めているそうです。
注目したのは、「いじめは存在する」を前提に指導・助言を行っていく・・・という答弁です。自殺の練習などあれほど酷いことが起きながら、当初いじめは無かったとした大津の件のようなことは、市川では起きない・・・そう宣言したとも解釈できます。また、質疑の最後に教育長が「機動的、機能的な態勢が大事」と答弁しました。いずれにしても、今後も関係者には、きめ細かな対応を続けて欲しいと思います。
2点目の中学校の武道必修化ですけど、市川市では公立16校全校が柔道を選択、うち8校が剣道も合わせて履修することになりました。授業は下期のカリキュラムで、これから学ぶことになります。
代表質問の時、習熟度の低い指導者が教えるようなことにならないか心配し、全部の学校できちんと指導できるのか?・・・と質し、講習会で習熟させるといった答弁があったのですが、市川市における現状は、実技講習会を実施しているほか、3校でサポートする外部講師を招聘したそうです。柔道着や剣道の防具などは配布済みとのことでした。
自由練習では、投げ技、とくに、大外刈りなど危険が伴う技は、生徒が受け身を習得してから実施する・・・そういった練習メニューを作成しています。さらに、市川市では独自にQ&A方式の柔道手引書を配布。これは、学習指導要領、授業内容、事故防止、用具、その他の5項目ごとにQ&Aでまとめ、授業を円滑に進められるようにしました。
生徒の皆さんには、事故が起きないよう、日本古来の武道を学んで欲しいと思います。