【真実を発信98】同僚の松戸議員が登壇・・・9月定例議会質問から(3)

昨日で本会議場における質問予定日の半分が終了。午前中で代表質問が終わり、昼休みをはさんで再開後、一般質問のトップバッターとして同僚の松戸隆政議員(松戸市選出)が登壇しました。

以前、このブログで何度も記したように、本来なら今回の松戸議員の質問は、みんなの党の代表質問となる予定でしたが、離党者が出たため、過去の慣例で代表質問ができる4人を割ってしまい、一般質問に“格下げ”となった経緯があります。質問の持ち時間が代表なら60分のところ、一般は半分の30分・・・しかし、今回の質問は、「時間ではなく内容」と思わせる素晴らしいものだったと思いました。

質問として通告したのは以下の通り。

1、退職手当について
2、人事評価制度について
3、県債金利上昇リスクへの対策について
4、地方分権型社会に向けた取り組みについて
5、公共投資の意思決定について
6、北総鉄道北総線急行電車について
7、その他

まず、最初の退職手当てですけど、足元では399億円、これが退職者がピークとなる平成27年度(2015年度)には650億円程度まで膨らむとの答弁がありました。普通、こうした言い方をすると、500億円、400億円と年々減っていく印象を植え付けますけど、松戸議員はここで、ピーク後もしばらく退職者の水準は高原状態で推移すると指摘。現在は、約1200億円の特例的な退職手当債を発行、つまり借金をして乗り切っている訳ですけど、こうした借入金に頼る体質を改めるべき、手当そのもののカットや、人件費の削減で負担を減らすべきと提言しました。

次の人事評価は、現在、千葉県ではS~Dまでの5段階で評価する制度を導入していますが、その運用法は絶対評価で、最高位のSが5%、Aが60%、Bが30%、C、Dがほとんどいない・・・という制度として機能しているのか疑問と指摘しました。しかも、この制度が運用されているのは課長以上の管理職のみ。当局の答弁は「人材開発、やる気を高めるため、変えない」といったものでしたけど、上位に偏る運用では悪平等と言ってもいいでしょう。

ここでも、国や他の地方公共団体も同様・・・といういつもながらの言葉が出たことも付け加えておきます。評価対象を(一般職員まで)拡大するつもりはないのか?という質問には「検討する」というひと言で終わってしまいました。

先に私もブログで「記者魂25:労働の対価と生産性」を記しましたが、当然のことながら、松戸議員と思いは同じ。この問題、引き続き党として追及したいと思っております。

3番目の県債金利上昇リスクへの対策についての質問は、金融機関に勤務していた経験が十二分に生きた質問・・・国内マクロ経済に絡む県の財政を語る上でも、ひじょうに重要な質問です。

今は低金利・・・日銀による追加緩和策などにより、すぐに問題となる項目ではありません。しかし、やがて国内の金利が上昇したら、当然、予算を組む段階で無借金という訳にはいかないので、利払いの増加で財政への負担が増します。松戸議員の調べによると、過去10年の10年債利回りの推移は0.4%~2.4%。県当局の答弁では、直近発行した新発債の利回りが0.82%とかで、トレンド上、低い水準に位置しており、その分、利息の支払いが軽く済んでいます。

しかし、これが1%から3%、5%と上昇したらどうなるでしょう。約3800億円の県債発行額で、1%金利が上昇するごとに、38億円の利払いを負担しなければなりません。そこで、松戸議員は、金利上昇にどう備えるのか?と質問・・・これに対して答弁は「直近で過去最高の水準まで金利上昇しても対応できるような予算を編成している」としました。目先は、それでいいでしょうけど、将来に少し不安を感じさせます。

地方分権型社会に向けた取り組みについて・・・の質問は、みんなの党のアジェンダにある「地域主権」に沿ったもの。国の出先機関改革(原則廃止)など、地方分権の流れは先行き変わらないとみられますが、これに対して森田知事は「どういった事業を広域連合で行うか、何を県単位で行うか・・・環境や防災などは9都県市で連絡しながら適切に対処したい」と答弁。しかも、通常ではあまりみられない再質問における知事答弁を引き出すことができました。また、森田知事は答弁用の原稿を朗読するだけではなく、ご自分の言葉も交えていただけに、この問題を重要な項目として捉えていることを伺わせたことを付け加えておきます。

5番目の公共投資の意思決定についてですが、財政が厳しい中での公共投資の在り方を問う質問でした。現状では、バイパス工事や立体交差化といった大規模な工事に関しては、学識経験者による事業評価監視員会で、事業とするか否かの意思決定を行っております。ただ、評価委員会で議論されるまでの素案をどう絞り込んでいるのか・・・明確な回答を得られたという印象ではなく、今後も引き続きチェックする項目になると感じました。

最後の北総鉄道の急行・・・に関する質問は、地元市川の北部地域の住民にとって大切な項目です。現在、北総鉄道では夕方ラッシュ時に、下りで計6本の急行が運行され、市川市内、松戸市内の北国分、秋山、松飛台、大町の4駅を通過します。松戸議員の調べによると、これら4駅の利用者はこの時間帯に最大で24分の待ち時間を余儀なくされるなど、平日日中よりも待ち時間が長いケースがあるとか。そのため、急行を廃止すべきではないかと質し(千葉県は22.29%出資している大株主)ました。

4駅通過による短縮時間はわずか4分、アクセス特急の運行開始で印西方面に向かう特急が充実したなど、急行の存在意義は低下していると思われます。近くダイヤ改正で、急行が1本だけ普通列車に転換されることになりましたが、まだまだ改善の余地が残ります。