【真実を発信99】スイカ果実汚班細菌病・・・9月定例議会の質問から(4)

一昨日の本会議は、みんなの党の松戸議員が登壇した以外では、午前中に市民ネット・社会・無所属の小宮清子議員(流山市選出)が代表質問を行ったほか、伊藤勲議員(冨里市選出)、浜田穂積議員(柏市選出)と自民党のベテラン議員2人が一般質問で登壇しました。

この中で筆者が注目した質疑は、まず、小宮議員が取り上げた特別養護老人ホーム問題。千葉県は特養の設置状況が全国でも低レベルであることが知られてきました。65歳以上の人口10万人あたりの特養定員数は、平成15年で1251人だったのが、平成20年には1179人までダウン・・・全国で最下位・・・つまり、統計上で千葉県は全国で最も特養に入居しにくい訳です。

足元では1342人まで回復、この7月末現在の待機者数は18700人程度と、1月末に比べて440人程度減り、調査開始以来、初めて減少を記録したとの答弁がありましたが、これで満足して貰ってはいけません。県当局では、少しでも定員増を図るために、多床室について整備を求め、補助による効果を期待、整備を促進して行くとのことでしたが、本県は高齢化のピッチが速いため、スピード感を持って取り組んで欲しいです。

伊藤勲議員が取り上げた「スイカ果実汚班細菌病」は、県農業を考える上で重要な課題と思いました。これは、外来の細菌病であり、今年3月県内で育苗されたスイカ苗に感染している可能性が高いケースがあったとのこと。蔓延すれば、甚大な被害を及ぼすことが想定されながら、農家など専門家の間でも十分認識されていないと指摘していました。

種子とともに病害虫が我が国に侵入する病気で、とりわけ、東南アジアで種子の生産を委託、国内で育苗する場合に感染するリスクが高まります。できれば国内で生産した方がいいと思われますが、伊藤議員はコストなどを勘案して種苗会社にすべて海外委託まで中止せよとは言ってません。しかし、国内の検疫所で十分な検査をしていない疑いがあり、ましてや海外での検査はどうなっているかわからない状態にあるため、十分な検査を行うべきでしょう。千葉県は、スイカ、メロンの産地であるため、重要な課題・・・当局は、県内ではその後は発生していないながら、次年、広がらないよう取り組むと答弁していました。

私はTPP推進派であり、自民党の先生の中には意見が異なる方が多いものの、反対の考え方こそしっかり聞かなければなりません。コメの販売価格にも言及、農業に対する思い入れが強いと感じた伊藤先生の質問は参考になったことを付け加えておきます。

以前から、議会で話題になった有害鳥獣対策についても取り上げらていましたが、イノシシについては成田市までその勢力が北上中。今後も生息域の拡大が見込まれるため、県ではワナによる捕獲を進める意向です。

一方、浜田議員の質問ですが、同議員の地元はホットスポットと呼ばれる柏市で、農産物の風評被害の深刻さを取り上げていました。

道の駅に設置するなどして、消費者の支持を集めている農産物の直売所・・・今ではスーパーを苦戦に追い込み青果物の流通ルート改革に繋がるほどの存在になっています。地産地消の象徴と言っていいかもしれません。

ところが、柏市内では、この直売所の売上高は震災前に比べ3割減となった現状があります。一方で、柏市から東京への出荷は影響を受けていないとか。検査をより厳しく行いながらも、こうした現状・・・風評被害が依然として深刻であることが伺えます。消費者が敏感であることを示している訳ですが、県農産品の風評被害に対して県として引き続き政策として力を注ぐ必要があると感じました。