中小企業金融円滑化法がこの3月に期限を迎え、その後、経営悪化した中小企業の支援が手薄になり、倒産が増加するのではないかと懸念されています。千葉県議会においても、同法の期限が来た後の企業支援について取り上げられ、議論されていました。
そうした中で県当局は、金融機関が保有している債権の買取りなどにより債務の軽減を図るとともに、継続的な経営支援を行う「千葉中小企業再生ファンド2号」を設立。同ファンド設立について県議会では9月議会において、県の負担金1億円に関し議決。それを受けて県は県内金融機関や中小企業基盤整備機構などと協議を進め、昨日、正式に設立の運びとなったのです。
これによって県内各地域の中小企業が事業を継続するとともに発展すれば、地域経済の活性化や雇用維持を図る効果が期待されます。
具体的に、支援内容は千葉県中小企業再生支援協議会が策定支援した再生計画などに基づいて、株式出資や金融機関が保有している債権の買取り等により債務の軽減を図るとともに、経営管理手法の導入や販売促進支援等の経営支援を行うとしています。
支援対象は、過剰債務等によって経営状況が悪化しているものの、本業には相応の収益力があり、財務改善や事業再構築により事業再生が可能であって地域経済の活性化や雇用の維持に大きな役割を果たす中小企業を主な対象としています。
この手の施策について問題になるのは、せっかくファンドを活用しながら倒産してしまい毀損が生じること。ファンドは金融支援を行う趣旨ですが、事業再生の上、将来的に投資資金を回収する性質なので、杜撰な経営を行っている企業、或いは事業そのものに将来性がなく収益が見込めない企業などに資金を投じても意味がありません。
支援を行う企業に関しては、しっかりとチェックを行い、資金回収が困難になるリスクを抑える必要があるでしょう。単に雇用などに地域事情だけを考慮するだけではなく、企業中身そのものを第一に考える必要があります。何かのしがらみで支援・・・などというのは論外。有効に活用されているかどうか、今後の運営を議会でチェックする必要があります。
など、千葉中小企業再生ファンド2号の概要は以下の通り。
名称は千葉中小企業再生ファンド2号投資事業有限責任組合
出資約束金額の総額は20億円
出資者は、(独)中小企業基盤整備機構(出資額、以下各戸内は同じ、9億円)、千葉県(千葉県産業振興センターを通じ1億円)、千葉県信用保証協会(2000万円)、県内11金融機関※(9億6000万円)=以上、有限責任組合員、ちばぎんキャピタル(2000万円)=無限責任組合員
存続期間は8年
※千葉銀行、千葉興業銀行、京葉銀行、千葉信用金庫、銚子信用金庫、東京ベイ信用金庫、館山信用金庫、佐原信用金庫、房総信用組合、銚子商工信用組合、君津信用組合の11金融機関