【真実を発信152】行徳橋架換事業の地元説明会・・・住民の怒りが爆発

昭和31年(1956年)に架橋してから半世紀以上・・・見た目にも危険な感じが強い行徳橋の架け換えが行われることが決定したのは周知の通りです。昨年の7月25日に国と県で設計協定を結び、形状などをこれから詰め、国や市川市と協議を進めるとの答弁が本会議でありました。そして本日、行徳橋架換事業の地元説明会が初めて行われたのです。

県から葛南土木事務所、国からは国土交通省関東地方整備局の江戸川河川事務所の担当者が出席し説明しました。地元市川市議会議員のほか、住民は30人ほど出席していたでしょうか。説明内容は事業概略、スケジュール、境界立会依頼についてです。

結論から申し上げると、架け換えは住民の悲願でもあるため、シャンシャンとなっても不思議ではなかったのですが、異論が噴出しました。誤解無いように記しますけど、決して住民は反対している訳ではありません。賛成派が圧倒的であるもにも関わらず、説明会では住民の怒りが爆発したのです。

紛糾した理由は、進め方というか段取りというか・・住民軽視と受け取られかねない姿勢が当局側に感じられたためです。今日に至るまで、橋の形状がどうなるか・・・住民には知らされていませんでした。千葉県の本議会では、現在は1.2mと狭い歩道部分が完成後に4mに広がり、ゆったりしたものとなるとの答弁がありました。

しかし、これらについて、住民の意見は反映されたかというと、今日の説明会の様子ではそのような雰囲気はありません。説明の後の住民からの説明で多かったのが、「橋の両側に歩道を建設して欲しい」という点です。示された図面で4mの歩道部分は、片側に1本だけ。当局の説明によると、橋の真横に隣接し、現在建替え中の可動堰をメンテする際、歩道に重機等の車両を通すため・・・といった趣旨で片側4mに歩道を設置する構造となったようです。

私の知るところでは、この事業は機能停止の陥ると100万人単位で水道が利用できなくなるリスクも生じる可動堰が、時系列で整理すると、急ぎ建替え事業が始まり、その後、橋の架け換えも決定した経緯があります。可動堰の事業が始まる際、橋が置き去りになってはたまらないので、県土整備常任委員会で「橋と稼動堰を一体化でプロジェクトを進めて欲しい、さらに、この点を国にも強く働きかけて頂きたい」そう要望するとともに、県側に姿勢を質したところ、「両方を一体的に整備するよう進めていく」と答弁がありました。

その通りになったのですが、どうも、橋の建設は「はじめに可動堰ありき」の印象が強く、そのため、可動堰のメンテに合わせて歩道の部分を拡幅したのでは・・・そんな穿った見方をすることができます。今日の主な論点となった片側4mの歩道・・・ここは勝手な想像ですけど、可動堰を円滑に運用するための必要条件ではなかったのか・・・そういう印象を受けました。可動堰ももちろん重要、これがダメになれば、大勢の人が水に困ることになるのですから・・・。こうしたことを、1つ1つきちんと説明すれば、納得する人が増えると思います。

個人的な印象では、この図面をひっくり返すのは容易ではないでしょう。現在の計画に歩道をもう1つ加えると、予算の問題が生じると考えられるためです。たとえば、設計変更して河口近くで風が強いので風よけ設置などの配慮が必要と思われますが、県ではこうしたオプションは市の負担・・・と位置づけているため、予算で歩道が片側しかできないとなると、それを実現するためには市川市側と調整が必要な場面が増えるかもしれません。

新橋の構造については既に図面になっているため、「決定事項」として住民に説明した格好となりましたが、住民が納得できないとしたのはこの点です。なぜ、橋の形状を決定する際、住民の意見を反映しなかったのか・・・一歩退いて、かりに、予算や可動堰との関係で現状では両側に歩道が設置できないとしても、議論を重ねるか、重ねないまでも住民の理解を得るために説明することが必要でしょう。

なぜ、パブリックコメントをしなかったのか・・・こうした姿勢に疑問を感じます。また、個人的には、行徳橋の架け換えが決定した後、大洲橋など他の橋に取り組みの力点を移したために、住民不在で事業計画が練られたことを知らなかった点を私はお詫びしなければなりません。また、これまで行徳橋に関しては、決まったこと、自分の知りうることを、このブログや県政報告などで記してきましたが、これもアピール不足もあった点も反省しています。さらに、県の説明不不足も今後は正していかなければなりません。

歩道が狭いことが原因で、死亡事故も起きた経緯もあり、橋を利用している周辺住民にはトラウマのようなものもあります。これら要望に応えるため、1期生で本当に微力ですけど、住民の声を県に届けようと思いました。

繰り返します。住民は橋の架け換えを反対している訳ではありません。むしろ、早期に事業が進むことを望んでいる・・・説明会に出席しその熱い思いを感じました。しかし、事業を進めるプロセスの中で、住民の意見を聞く機会を設けなかったことに疑問を感じます。また、今回の説明会開催に関しても、広報いちかわにお知らせが掲載されながら、その扱いが小さかった上に、両側に自治会に回覧板が回っただけで、周知活動は十分だったとは思えません。近隣の方にヒアリングしたところ、このようなイベントが開催される時は自治会の掲示板にポスター等が掲示されるのですけど、今回は無かったとのことです。

私は、財源の裏付け等を考えれば・・・これは橋にオプションを付ける場合の市川市側の負担も含みますが・・・「何が何でも歩道を両側に」と叫ぶことはできません。ですが、住民の要望を反映するために、少しでも妙案はないか、妥協点はないのか・・・用地取得などはこれからで、事業はスタート台に立ったばかりですので、取り組んで行こうと考えています。

提示された今後の予定を記すと、平成25年度は、用地関係者に対する説明会(行徳側に取り付け道路を新設する必要があるため)、用地測量、境界立会、建物調査・・・こうしたスケジュールが住民に示されました。また、住民からは、要望を聞く場として、用地関係者以外を対象とした今回のような説明会を再度開くことの要望がありました。この点について、私も県土整備部に対して要望するつもりです。

なお、示された道路構造は、橋梁部分が延長400m、幅員11.5m(片側車線3m、自歩道4m)、取付道路が延長約160m、幅員13.5~17.0m(歩道2.0m、副動4.0m)。なお、橋梁からバス停(行徳橋南詰)まで両側歩道、以外の取付区間は片側歩道となっています。