【真実を発信191】平成24年度病院事業会計の決算見込み

既に一部で報道されていますが、千葉県の平成24年度病院事業会計の決算見込みが明らかになりました。

病院局経営監理課によると、24年度の医業収益は、診療報酬の改定、外来患者数の増加により前年度を2.2%上回ったことや、研究受託収益の増加によって収益合計は440億1386万円となりました。

一方、医業費用は424億2670万円。光熱水費の増加などから前年度1.6%増となっています。この結果、純利益は前年度に比べて1億5485万円増の12億8716万円で、病院事業としては3期連続の黒字を確保しています。

平成10年度には、45億9300万円の赤字、11年度が33億円、12年度が32億円、13年度に16億円に急減した後、グラフに示すと、10億円~20億円前後の水準で赤字が減少するトレンドとなり、21年度の7億7600万円を最後に黒字転換、3期連続の黒字により、それまでの赤字体質から完全に脱出したと言えます。

厳しい財政運営が続いている中、改革が叫ばれていますが、「やれば出来る」を示した一例とみることができるでしょう。もちろん、労働条件が悪化しているなどの批判もありますし、県東、県南では医師不足が言われるなど解決すべき問題もあります。

ただ、こうした問題の解決には財源の裏付けが必要なのも事実。私は、一般質問で県立東金病院閉院に伴う、「慢性疾患の重症化予防」チームについて取り上げましたが、このプロジェクトは予防医療の観点から、将来的に医療費削減に貢献するものです。こうした使わなくてもいい医療費を抑えつつ、医療財政を改善に向かわせ、諸問題の解決に取り組む・・・今の状況では、そんな運営が求められるでしょう。

なお、病院別の損益について、改善額が合わせて公表されました。それによると、がんセンターが1億1200万円の改善、救急医療センターが1億4300万円の改善、精神科医療センターが1億0600万円の改善、こども病院が8000万円の改善、循環器病センターが2億1700万円の悪化、東金病院が1億4200万円の改善、佐原病院が5200万円の悪化となっています。