本日は「市川赤レンガをいかす会」が開催した旧陸軍武器庫、通称”赤レンガ”の見学会に参加しました。
同会は、市民ミュージカルなどを行っている「いちかわ市民文化ネットワーク」の事務局を連絡窓口とする市民グループで、赤レンガの建物を平和、環境、文化活動の拠点へ・・・と願い活動しています。本日の見学会には、多くの市川市民のほか、マスコミ関係者も参加。関心の高さが伺えました。
この赤レンガの建造物は、旧日本陸軍の錬兵場があった市川市国府台にあります。当初は武器庫として利用されていました。建造された時期は、様々な説があるものの、建築様式から明治10年代ではないかと推定されています。
戦後は千葉県血清研究所の薬品倉庫として活用されていましたが、平成14年に同研究所が閉鎖されて以来、利用されないまま今日に至りました。現在は、無人の状態で、県の未利用地の1つとなっているのです。
この赤レンガレンガ建ての中でも、フランス積みで建造されたものは、旧北海道庁の赤レンガ道庁など全国に15しか存在しないとか。その意味で、全国的に価値が高いのは言うまでもなく、文化都市である市川にとって、大切な歴史的建造物である言えるでしょう。
保存状態は良く、ゆえに建築や文化遺跡、軍事史など幅広い分野の識者の間から、次代に残すべき建造物・・・といった声が少なくありません。ところが、東日本大震災の際、瓦がズレてしまい、雨が沁み入る状態になってしまいました。このままでは、劣化が酷くなるため、急ぎ対策が必要になります。
写真を見て頂きたいのですけど、雨漏りの影響で内部が朽ちかけている様子がわかると思います。会の関係者によると「内部の色合いが、以前と変わってきてしまっている」と語っていました。“人が住まない家は荒れる”と言われるように、普段は立ち入り禁止といあっているこの“赤レンガ”、放置されている間に劣化が進んでいるのかもしれません。
私は、地元の貴重な文化史跡として、”赤レンガ”の存在を知った時から、是非残すべきと思いました。赤レンガの内部を見学したのは、本日が初めてでしたが、実際に触れてみて、その思いを強くした次第です。建造物は千葉県が所有、管轄しているのは健康福祉部。識者も指摘しているように、まずは県の文化財に指定ないしは登録すべきでしょう。私も保存、活用のために取り組んで参ります。
貴重な場を作って下さった市川赤レンガをいかす会の吉原広代表はじめ関係者の皆様に、この場を借りて御礼を申し上げます。