昨日は松戸市の常盤平団地内にある、まつど孤独死予防センターを見学しました。
みんなの党に所属する山下てんせい神戸市議の行政視察に同行、地元の同僚である川井友則県議のセッティングにより、常盤平団地の自治会長でもある同センターの中沢卓実所長のお話を伺うことができたのです。
常盤平団地は、昭和35年4月に入居がスタートし、今年で54年を迎える5000世帯を越すマンモス団地です。
高度成長期の住宅としてシンボリックな存在だった同団地は、全国各地の団地建設でモデルになったのですが、常盤平の名が再び全国で知られるようになったのは、住民の高齢化が進むとともに孤独死問題が深刻化したことが報じられたため。その取組がテレビ番組などで報じられ、孤独死問題の解決策について注目されるようになりました。
そもそも、孤独死が起きるのは、独居世帯、しかも、周りとのつきあいが希薄な場合に起きうるものです。先に事例を記すと、女性より圧倒的に男性が多いという統計があります。それは、それまでの生活パターンで女性は地域に溶け込む半面、男性は現役時代からそのまま隣近所との付き合いが希薄であることが考えられます。つまり、この点から、予防策の第一は”無縁”にさせないになるでしょう。
問われるのはコミュニティーの在り方なのです。そのため、常盤平団地では「見守り」を徹底・・・単純なようですけど、姿が見えない、電気がつけっぱなし、電話に出ない、ノックに応答がない、配達物が溜まる・・・こうしたちょっとした変化を見逃さないだけでも、死亡後に何か月も放置される・・・こんな事例をなくすことができるのです。
実際、平成25年度に松戸市では、孤独死にカウントされる事例が169件ありましたが、そのうち、常盤平団地では11件発生・・・かつては20名を越えていたそうで、見守りによって減らすことができました。統計をみると、団地だけではなく市内全域に広がっており、今後は、、戸建て住宅での孤独死が問題になると想定されています。
いずれにしても、行政がお金を出して解決する問題ではなく、地域が問題解決に向けて立ち上がるのが一番で、それを行政がサポートする・・・というのが中沢さんの指摘でした。
また、身寄りがないため、引き取り手のないご遺体の問題も増えつつある状況で、そのため同団地では、千葉県の委託によりNPO法人孤独死ゼロ研究会が政策した「終活ノート」を配布。自分が亡くなった時にどうしたい・・・を記すとともに、あらかじめ遺影に使用する写真も添付、葬儀に関する問題も生じる中、”終わりに向けて”の活動「終活」を推進しています。
もちろん、孤独死は常盤平だけの問題ではないのは言うまでもありません。まつど孤独死予防センターの取り組みは同じ問題に悩む各自治体で参考になると考えられます。