ギリギリの決着だったのではないか・・・本日、各紙千葉県版と千葉日報1面トップに掲載された北総鉄道運賃問題の記事を読んで抱いた感想です。
昨日、森田知事が北総鉄道の親会社である京成電鉄の花田会長と直接会談、その結果、通学定期に関しては割引率25%という現行水準が10年間維持されることで決着しました。県としては、企業庁の北総鉄道への貸付金53億円の償還の5年間猶予を提案、これが受け入れられる形となったのです。
先に、北総鉄道の運賃は、事業者側から平成27年度以降、事業者負担分は値下げを継続するものの、全券種同率で現行水準より値上げするとの回答があったばかり。割引率が大きい通学定期が実質値上げとなった場合、沿線住民の負担が大きくなるところだったので、知事のトップ交渉でそれは回避できました。
補助金による値下げはいかがなものか・・・かと言って、自助努力を求めるとしても、資本の冷徹な原理からは難しい・・・複雑な方程式での解決が求められていたところ、補助金を出さずに貸付金返還で北総側の痛みを和らげるとともに、トータルでは事業者側も“自助努力”をする格好となるなど、現状では合理的かつベターな解決策と思った次第です。
これに関わった関係者のご苦労は察してあまりあるもの・・・そう感じました。全体的に高い運賃が是正された訳ではありませんけど、こうした事例を作っておけば、将来に繋がると考えられます。高度な政治的な判断、トップ交渉の重要性など、もつれにもつれた問題について最終的に何か必要かを示した事例と言えるのではないでしょうか。