【真実を発信328】金融教育はとても重要・・・一般質問より(6)

5番目に取り上げた質問項目は金融教育でした。

千葉県に限らず、日本全国で振り込め詐欺や未公開株詐欺をはじめとする金融犯罪など、お金にまつわる犯罪が後を絶ちません。これらは騙す卑劣な行為ですけど、金融犯罪の中には、知識さえあれば被害を少なくすることができるものもあります。

知識がないことに付け込む犯罪については、騙されないように知識を備えること・・これが根本的な解決策に繋がるでしょう。以上の視点から、今回、質問に取り上げることにしました。

金融教育については、経済記者をしていた時代から、ライフワークとして取り組もうと思った分野でもあります。今回は、金融犯罪に絡めて取り上げましたが、金融教育は格差社会を是正することにも繋がると言ってもいいでしょう。

専門的な知識がないところに付け込まれ、バブルの頃には金融機関が、あたかも騙すように、とんでもない金融商品を売り込むことが社会問題になりました。

行政も無関係ではありません。2年前に取り上げた仕組み債の問題などは、金融知識が乏しい行政マンがリスクを把握せず購入してしまい、相場変動で多額の評価損を抱えるに至りました。これは売り手に騙されたとは言いません。しかし、生半可な知識で高い利回りを求め、結果的に失敗してしまったのです。知識さえ備えていれば、こうはならなかったかもしれません。

逆に言えば、知識さえ備えていれば、損を回避できる一方、お金を殖やすことも可能になるでしょう。資産家が知識がないまま危ない金融商品に手を出し資産をすべて失くしてしまうこともあれば、裸一貫から一生懸命勉強を積んで株式投資で財をなすこともあります。

このように、金融に関しては、お金を殖やす失くす、騙される騙されないは、学歴が高い低い、或いはお金のあるなしは関係なく「知っているか、知っていないか」が重要なポイントになるのです。

振り込め詐欺について、以前、大阪府は極端に被害例が少ないと話題になりました。「大阪のおばちゃんは騙されない」というのは、県民性、地域性が理由とされるものの、私は「金融教育が子どもからお年寄りまで幅広く行われ、金融教育王国であるがゆえに千葉は金融犯罪が少ない」──そう言われるのを目標に、金融教育に対して熱心に取り組むべきと考えています。

そこで、特殊詐欺や各種金融犯罪をなくす対策として、学齢期からお年寄りまで幅広い年代で金融教育を行うのが有効と考えられるが、県の取り組みはどうかと聞きました。

それに対する答弁では、社会的・経済的に自立して、より良い暮らしを送るために、知識や判断力を身に付けることがひじょうに重要と、私の質問の趣旨を理解してくれるような回答がありました。

その上で、県では、日本銀行や県内の金融機関とともに、「千葉県金融広報委員会」を設置。その活動を通じて学校や地域における講習会の開催など、金融教育の推進に取り組むとしたほか、4月に策定した「第2次消費者生活基本計画」において、重点課題の1つとして消費者教育の推進を掲げたが、金融教育についても、その重要な要素として一層の推進に取り組むとしています。

本来は、米国などがそうであるように、学校教育の場においても金融教育について実施すべきと問いたいところですが、国の指針に踏み込むことができないのが残念です。しかし、少しでも金融教育が広がるよう、今後も取り組んでいきます。