【真実を発信329】「クール千葉」の推進を!・・・一般質問より(7)

6月定例議会で行った一般質問、全部で大問11項目のうち、ちょうど真ん中になりました。今回はクールジャパンについてです。

クールジャパンというと、世間ではアニメなどのコンテンツを海外に発信というイメージが強いと思われます。国によると、戦略産業分野である日本の文化・産業の世界進出促進、国内外への発信を指し、ありとあらゆる分野で、日本の良いモノを輸出することと解釈することも可能でしょう。

そうした意味で、クールジャパンにおいても、千葉県のポテンシャルは大きいと言えるかもしれません。工業製品だけにとどまらず、本県は農産品、水産品の宝庫でもあるだけに、これらの輸出を推進、クールジャパンならぬクール千葉として、産業政策の柱に据えるべきと考え、質問項目に取り上げました。輸出の振興は海外へのトップセールスを積極的に行う森田知事の重要な施策でもあります。

ひと言で言えば「輸出振興策はどうか」となるのですけど、そこは国の政策に沿った方が、物事は進みやすいので、敢えて「千葉県の輸出政策」とはせずに「クールジャパン」としました。

さて、国外に販路を広げると言っても、誰もが簡単に輸出できる訳ではありません。当然のことながら、相手国先の事情、商慣習などノウハウのほか、初期投資などファイナンスの問題も絡んできます。素晴らしい製品、農作物、水産品がありながら、ノウハウ、資金に乏しいとの理由から、輸出しようと思ってもできない中小零細業者がいることは想像に難くありません。

ノウハウ、体力ともある大企業は問題ないでしょうけど、規模の小さい事業者、農家、漁業関係者をサポートすることが、県の施策として必要であること思われ、以下の質問をしました。「海外への輸出を考える中小企業に対して県としてどう支援するか」という問いです。

県は、これまで中小企業の販路開拓などに対し、総合的な窓口を設置し、海外事情の提供を行うとともに、企業の課題や要望に応じた経験豊富な専門家を派遣するなど、幅広く支援してきたとしています。

また、現在策定中の「中小企業元気戦略」においても、海外市場との取引を重要な柱の1つとして位置づけており、今後も「クールジャパン」を含め企業のニーズにきめ細かに対応するため、ジェトロなどの関係機関と連携を強化し、県内中小企業の海外展開を支援するとの答弁もありました。

以上、ノウハウに関しては、ジェトロも巻き込み、相応の対応がなされているようです。しかし、中小の事業者にとって、ノウハウの問題が解決しても、今後は資金面、ファイナンスが課題になるでしょう。

そこでは、助成金、貸付金といった公的な支援が欲しいところですけど、県の財政難を考えれば簡単にモノを言うことができません。そこで私は、助成でも貸付でもない、第3の道・・・財政面で負担が小さい方策を提言しました。

たとえば、国ではクールジャパンを推進するために、クールジャパン機構(株式会社海外需要開拓支援機構)を設立しました。これは、官民で資金を集め、出資という形でクールジャパンに関わる資金面での支援を行おうとするものです。

同様に千葉県でも、中小の事業者向けに、地銀など地方金融機関を巻き込んだ県独自のファンドを設立するのはどうか、そう提言をした上で、輸出を考える中小事業者向けの県独自のファンド機関を設立すべきと思うがどうか、と再質問しました。

クールジャパンについては、同機構の事業を積極的に活用することが重要と考えている、とした上で、県でも積極的に情報収集するために同機構に職員を1名派遣している、としています。また、県内でクールジャパンに取り組む企業が出てきた場合には、「ちば新産業育成ファンド」があるので、これを活用するのが1つの方法、との答弁でした。

本気で取り組むのであれば、専門の機関を作るべきでしょう。たとえば、千葉銀行は海外ネットワークを持っていますし、京葉銀行でも海外進出支援の事業としての取り組みがジェトロの番組内で紹介されるなど、地元金融機関のノウハウを活用、オール千葉で取り組むのが良いと思われるのです。

他の質問に対する答弁でもよく聞かれる「既存施設を活用して対処する」・・・今回の質問では「ちば新産業育成ファンド」がそれに該当しますけど、それならそれで、海外からの資金を呼び込めるような態勢を築いて欲しいです。

たとえば、この後に質問したハラールでは、イスラム金融も絡んできます。中東の資金などを呼び込めば、事業がスムーズに進むケースもあると考えられるので、そうした態勢づくりも必要でしょう。よりきめ細かな対応ができるよう、「ちば新産業育成ファンド」が運営されることを願います。

さて、クールジャパン機構に関してですけど、実は、答弁にあったクールジャパン機構に派遣された職員に、会って話すどころか、種々の案件に関してクールジャパン機構への要望や意見交換も行いました。派遣と能動的に行ったような答弁でしたけど、聞けば、同機構の幹部の引きで赴任したとか。この職員が本庁に戻った後に、しかるべき部署に配置されるか否か・・・これで、県のクールジャパンに対する本気度が試されると思っています。

一方、クールジャパンに関しては、農水産物に関して、別立てで質問する格好となりました。これは、商工関係は商工労働部、農水産物は農林水産部と管轄が分かれているためです。本来なら、一括して行うべきものですが、縦割り行政の弊害と言ってもいいでしょう。舞台裏を明かすと、どのような形で答弁するのかという調整に苦労しました。

農水産品について「クールジャパン戦略によって、農水産品の輸出拡大が想定できるが、県としてどう取り組むか」と問い質したのです。

まず、本県には農水産物やその加工品の輸出に取り組む生産者団体等が参加する「千葉ブランド農水産物・食品輸出協議会」が設立されており、同協議会ではジェトロ千葉の指導のもとで海外の食品展示会への共同出展や商談会の実施などに取り組んでいると答弁がありました。県また、では、これら活動の支援のほか、貿易実務に詳しいアドバイザーの派遣や窓口相談の実施、輸出に向けた販売促進活動や商品開発への支援などを実施しているとのことです。

さらに、輸出に関して積極的な支援を協調していましたが、森田知事が毎年、東南アジアを訪問、トップセールスを行っているなど、県産品の輸出拡大は知事自ら主導して取り組む重要な施策ですので、県も意欲的に進めることでしょう。千葉県の産業を発展させるため、クールジャパンならぬクール千葉に関して、今後も積極的に取り組んでいきます。