【真実を発信465】幕張メッセが五輪会場に決定、リニューアルが課題に

東京オリンピックの競技会場の1つに、幕張メッセが選定されたことは、千葉県民にとって、そして、政策面でメッセの活性化を何度か取り上げてきた者として、喜ばしいことでしょう。

サッカーと自転車を除く26競技のうち、フェンシング、テコンドー、レスリングが幕張メッセで行われることになりました。ただ、問題となるのはオープンしてから四半世紀以上経過したことにより老朽化が進んでいる点です。

財政面を考慮すれば、既存施設の活用は評価すべきですが、世界から注目されるイベント会場になる訳であり、それにふさわしい施設を用意するのは、開催者の責務です。そこから、リニューアルが課題として浮上してくるでしょう。実際、昨日の記者会見で、森田知事はリニューアルを行うことを示唆しました。

しかし、そこでは当然のことながら財源の裏付けが必要になります。森田知事も会見の場で、財源に関して明言を避けたそうですが、今後はその点が議論だれることになるでしょう。

その際、考える必要があるのは、東京オリンピック・パラリンピックが閉会する2020年以降のメッセの運用です。古今東西を問わず、1度きりの国家的イベント用に建設した施設が、財政の重荷になった例は少なくありません。現状の体制で、幕張メッセを五輪後も運営するのであれば、10年先、20年先に財政面での負担が重くのしかかって来ます。

幕張メッセでの五輪競技開催は、千葉県の活性化を考える上で歓迎すべきことですけど、一方では「孫子の代にツケを残す」ことがあってはいけません。

たとえば、リニューアルなど五輪開催まで行政が責任を持って運営、そのリニューアル事業を五輪後に民間委託しやすいよう進め、売却までを含めたあらゆるスキームを事前に考えるなど、工夫が求めらるのではないでしょうか。いずれにしても、メッセのリニューアルを行う場合、五輪後の運営を見据えての議論が必要です。