【記者魂113】いよいよ農業改革が前進か? 4年前に受けたヤジの嵐を思い出す

本日朝刊の日本経済新聞のトップ記事を読んで、感慨深いものがあった。報道によると、耕作放棄地の課税を1.8倍にして移転促して農地を集約、それとともに農地バンクに貸した農地は税軽減をするという。

以前から言われていたことだが、日本の農業の国際競争力を阻む大きな要因は、小規模な農家が多く、効率的な生産がしにくいことが挙げられていた。これを大規模化して効率化をアップすれば、世界に伍していける農産品も生じるという見方がある。実際に私が視察した例のでも、北海道などでは行政主導で集約化を行っている自治体もあった。

それを政府が本気で進める考えであることを、日経の記事から感じた。TPPが現実化したことによって、農業改革は待った無しの状況にあるのは言うまでもなく、改革がTPPによって大きく動き出したのは間違いない。これを手始めに、行政は先行き、やる気がある農家をさらにサポートしていく必要があろう。

さて、このニュースに接して、4年前、本会議場における討論で、TPPの推進を訴えかけ、その際、議場全体からヤジの嵐を受けたことを思い出した。千葉県は、全国で生産額第3位の農業県。ゆえに、農業改革について抵抗があることは容易に想像できたが、思った以上に抵抗が根強いことを実感したのである。今、同じ討論をすれば、雰囲気は違ったものになったかもしれない。

しかし、TPPが決まった以上、ここからは”攻めの農業”に舵を切る必要があるだろう。ハラール推進の政策で、ご縁が出来た食肉業界では、既にTPPを見越して2~3年前から動き出している。今後は、その動きが広がることになると思うが、日本の農業を強いものにするためにも、政府は”ヤル気”のある農家を強力にバックアップする施策を数多く打ち出すべきだろう。