県境や市町村境近くに住んでいると、住民サービスで不利に感じることが少なくない──どこの自治体でもこんな状況かと思います。県なら県庁所在地から離れた場所などがそれに当たるでしょう。
筆者の地元である市川市は東京都に近く、その意味で通勤・通学や買い物など、生活するには便利な地域です。ですが、お役所が絡む案件というと、必ずしもそうは言えません。
以前に、このブログで記した家庭裁判所の問題はその1つ。市川市内には千葉地裁の出張所がありますけど、ここでは取り扱い案件が限られ、千葉市まで出向かなければならないケースが多々生じます。裁判所の場合、せめて支部であれば、利便性がぐっと高まるのですが・・・。
県なら出張所にあたる葛南県民センターが、船橋駅そばのフェイス7階にあります。これはこれで地理的にみて便利なのですけど、ここで県に関わる事務処理がすべて完結するかというと、そうではありません。
その代表的な事例がパスポートの発券業務。葛南県民センターでは受領こそできますが、肝心の申請ができないのです。申請は千葉まで出向かないとできません。
千葉県内の旅券発行に関し、受領の約4分の1、年間6万件以上をここで取り扱っているので、不便を感じている人は多いと考えられます。更新は5年か10年に一度とは言え、急に取得する必要が生じた場合、少しでも便利であればと思うのは当然でしょう。
今日の一般質問で、船橋市選出の木村哲也議員(自由民主党)がこの点を県当局に問いただしたところ、「申請、受領の業務を合わせて行うことを検討したが、コストがかかることなどを考慮し、困難と判断した」との答弁がありました。
厳しい財政はわかります。しかし、県西部の県民も税金を納めているので、より公平な受益を求める権利があるでしょう。
市川市や船橋市、浦安市など葛南地域は、県の管轄するサービスに関しては何かと不利を被っている状態──私は昨年来、裁判所の支部設立について取り組んでおりますけど、他の問題に関しても、問題を掘り起こして是正できるよう働きかけたいと思っております。