千葉県は25日午前10時解禁で、県が実施してきた「津波調査」「液状化調査」の成果である「津波避難のための津波浸水予測図」、「液状化しやすさマップ」をそれぞれ公表しました。
この調査の目的は、「津波警報を聞いた場合、どこまで避難したらよいのか」「どの程度の震度で自宅周辺が液状化しやすくなるのか」など、具体的な避難行動や液状化対策につながる住民目線の津波浸水予測図や液状化しやすさマップを作成する──というものです。
元禄地震のデータを基本にすると、新たな研究成果で作成しましたが、津波に関して言えば、調査結果で九十九里浜地域ですと、10メートルの津波が襲った場合、内陸で3キロまで浸水。他方、館山など南房総地域では、10メートルの津波が襲っても震源近くでは土地が4~5メートル隆起するため、新水域は10メートルの津波ケースより狭いという結果でした。
なお、市川市など東京湾岸北部では、津波が河川を遡上しても、現在の堤防の高さなら、ほぼ浸水しないとのデータでした。
一方、液状化調査に関してですが、これは以下の写真を見て頂ければわかると思いますが、地元市川にとって衝撃的な結果となりました。震度5弱程度ならほとんど液状化の心配はありません。しかし、震度6強以上になると、市川市の南半分・・・行徳地区、八幡地区と市川地区の南側はほぼ「液状化しやすい」地域となります。
そのほか、東日本大震災で深刻な液状化の被害があった利根川右岸、千葉市美浜区なども震度6強の地震が襲った場合、液状化しやすくなります。
これらは、液状化対策を実施していないものと想定しており、既に何らかの対策が施されていれば、その限りではありません。ただ、十分であるとは言えず、対策が急がれます。
今後は、このマップをもとに、各市町村が県のをみて新規に作成、既に作成している自治体が調整することになります。なお、この2つの図面は全国初めての試みとなりました。