【記者魂51】千葉県の人口減少止まらず

千葉県の人口減少が止まらない。総務省が28日公表した人口動態調査によると、今年3月31日現在の県人口(日本人)は昨年同期比約1万1000人減の613万6千人で2年連続で減少になったという。

街頭演説などで筆者は、千葉県をネタのする際、人口約620万人と言っていたものの、これからは言いえない。今回初めて公表された外国人は約10万4千人で、これを加えると624万人となるが、全体的にマンパワーが落ちているのは確かだろう。

いずれにしても、東京都や神奈川県、埼玉県などが依然として人口増加となる中での減少・・・危機感を抱かざるを得ないのが正直なところだ。

しかも、その内容をみると、より深刻度が増す。出生者数4万8294人だったのに対し、死亡者数は5万2727人で4433人の減少と、自然増加が減少となったことはまだしも、社会増加(転入者数から転出者数を引いたもの)もマイナス。その幅は福島県(1万0971人)、北海道(9545人)、静岡県(7403人)に次いで4番目となるなど、「千葉はそんなに魅力がないのか?」と悲しくなる現実がある。

ちなみに、全体の減少幅は全国8番目の大きさ。社会減については、なお、東日本大震災後のホットスポットが影響しているのかどうか、分析を待ちたいながら、この厳しい現実を踏まえると、千葉県の行財政改革は待った無しと言えよう。

なかんずく、世代別の構成比をみると、よりその思いを強くする。65歳以上は約142万2000人となり、初めて140万人を突破。反対に15歳未満は約80万2000人で4年連続の減少となる、急速な少子高齢化を裏付ける結果で、数字の上では、千葉県の活力は徐々に失われている状態だ。

手許にある、県の分析が記している資料を読むと、平成23年3月から平成25年7月までの間に約2万2000人減少したことに関して「これらは日本全体の人口減少や震災前からの都内回帰などの中長期的な要因に加え、東日本大震災や東京電力福島第一原子力発電所事故という一時的要因によるものと考えられます」としている。

本当にその通りなのだろうか?震災から2年以上経過し、一時的であれば、そろそろ流出が止まってもいいはず。それでも社会減が止まらないのは、前者の都内回帰を理由にするかもしれないながら、それなら、神奈川県、埼玉県の増加はどう説明するのか・・・もっとシビアに分析すべきと、今回公表された人口動態調査をみた正直な感想である。

千葉県では、目下のところ、「千葉県行財政改革計画・財政健全化計画(平成25~28年度)」「千葉県総合計画『新 輝け!ちば元気プラン』」を策定しているが、人口減という厳しい状況を踏まえ、これらを「ぬるいもの」にしてはならない。森田知事が目指す「くらし満足度日本一」を目指すためにも、無駄を省いて予算を適正に配分、実現性の高い成長戦略を掲げる・・・こういった施策が必要だろう。筆者も県民の代表として、知恵を出して取り組んでいく。

今日は、人口問題以外にも、「銚子市が2017年度に北海道夕張市に次ぐ財政再生団体に転落する恐れ」「千葉市の実質公債費比率、政令市で全国ワースト」・・・といったように、本県にとって暗いニュースが相次いだ。改革は「待った無し」なのである。