9月定例議会から12月定例議会まで閉会期間は、わずか1か月ですが、その間に平成24年度の決算審査特別委員会が6回に分けて開催されます。今年度は私も委員の1人として審査に参加することになりました。先週末の25日がその第1回。審査されたのは、企業庁、監査委員会、環境生活部の3部局です。
まず、企業庁は、千葉ニュータウンや千葉市臨海部など千葉県の開発行政の一翼を担い、前身である「開発部」がスタートしたのは昭和34年(1959年)と半世紀以上の歴史がありますが、平成27年度末に清算を終えることが決定しています。同庁は土地の造成、売却や事業資産貸し付けなどを独立採算で実施。多くの土地が未処分のままの状態で残り、土地活用をめぐる問題は当面続くことになると想定されています。
これらの土地をはじめとする資産や、もう1つの事業である工業用水道事業は新組織や別組織に引き継ぐ予定であり、決算の審査としては、いかに後継組織に引き継ぐため、円滑な運営がされているかどうかも重要なポイントになるでしょう。
現時点で未処分の土地は790ha。このうち、委員会で特に議論されたのは、千葉ニュータウンの未処分土地332haについてでした。人口は24年度末現在で93446人・・・それなりの事業であったというのが当局の見解ですが、未回収資金が1265億円・・・残った土地をすべて売ればというのですけど、不動産の都心回帰が進む中で果たして楽観的な見方をどうしてできるのか疑問です。当局は、雑誌の「住みよい街ランキング」で印西市は全国1位というのを強調していましたが・・・。事業引き継ぎまで要チェックというのが委員全員の共通認識となっています。
私は企業庁に関しては3点質問しました。いずれも土地造成事業に関してです。最初にしたのは、損益計算上の事業資産貸付収益について。議会で話題になるのは、土地の分譲で土地の貸付についてはあまり注目されません。そこで、今回ここを追及することにしました。
問い質したのは、貸付の収益になる部分についてどれだけ減免分があるのかという点です。24年度は24億円あまり、23年度、22年度が23億円、21年度が34億9000万円だったとか。この減免先は、市町村と公社等との答弁でした。
市町村の場合、被災者向けなど緊急避難的な部分が多く、公益的な視点でやむを得ないと思います。しかし、公社に対する減免とはどういうことでしょう。他の貸付先との公平性で改めるべき、しかも、この点は千葉県の監査委員会からも指摘を受けています。見方によっては、通常は経営が悪化した先が対象になるでしょうから、赤字公社が本来負担する金額を企業庁に押し付けた格好・・・そうみることも可能。私は、これは改善すべきと訴えました。この点は、今後も追及していきます。
次に、貸借対照表上で、130億円ほどの金額が、現預金から有価証券にシフトされていた点です。実は、この質問に関しては、問いと答えが最初、まったくかみ合わず、財務課長に「現時点ではプロであるのだから財務諸表等の内容をしっかり把握して欲しい」と苦言を呈しました。
答弁ではなく、私の指摘に返事を頂くという格好でしたが、有利な運用をするために、国債を購入したとのこと。公社等外郭団体で仕組み債が問題になった経緯もあるだけに、安全性を確かめるために行った質問でしたが、要領を得ない答弁だったため、この点も後日、追及する必要ありと感じました。
最後は、引当金について。テレビドラマ「半沢直樹」でも話題になりました引当金ですが、決して順調ではないと思われる土地造成事業で積んでいるのがわずか41億円に過ぎません。24年度に115億円ほど取り崩している訳ですけど、答弁では退職金などに備えるためとしたほか・・・今後、新たに引き当てるような案件はない・・・という信じられない答えでした。大赤字とも言える事業・・・それで本当にこれだけの額で十分なのでしょうか。この問題も、というか私が質問した3つについて、いずれも今後もチェックする必要があると感じました。
以下、委員会の内容に関して、順次、記して参ります。