【真実を発信327】千葉県でも舞台系芸術を学べる環境を・・・一般質問より(5)

大問4項目目は、県立高校の舞台芸術科設置についてです。

この質問に関してのバックグラウンドは、最近、東京都立総合芸術高等学校を視察した際にアップした【真実を発信316】に詳細を記してありますので、ご参考までにこの文章をクリックしてお読みになって下さい。

千葉県に限らず、全国的に芸術分野において、舞台系芸術は政策面での支援が美術や音楽に比べて手薄と感じるのは私だけでしょうか。現場で話を聞くと、そんな声が聞こえてきます。

そこで、私は舞台系芸術のプレゼンス向上を訴えかけて参りました。演劇やクラシックバレエ、ダンス、日本舞踊といった舞台系芸術を楽しんでいる方は多いことを踏まえれば、もっと政策面でスポットライトを浴びてもいいでしょう。

政策面での偏りを象徴するのが教育分野です。特に、千葉の県立高校では美術や音楽を専門的に学べるのに対し、舞台系芸術はそうした場がありません。首都圏でみると、東京都には東京都立総合芸術高等学校に舞台表現科が、埼玉県にも埼玉県立芸術総合高等学校に舞台芸術科がそれぞれ併設されており、東京や埼玉で学べるのに千葉では学べない現実があるのです。

東京都立総合芸術高等学校を視察に行った際、神奈川県教育委員会も私と同様の趣旨で視察を行ったと聞きました。かりに、神奈川県で新たに設置した場合、学ぶ環境がない本県から、ますます優れた才能が他県に流出してしまうかもしれません。公立高校は税金を払う居住者しか通えず、現実的に、都立総合芸術高校に、千葉県から家族で引っ越しして進学した例もあるのです。

私立に通えばいいではないか、といった考えもあるでしょう。しかし、学費の面を別にしても、私立ではたとえば、家元など流派でしがらみができやすく、学ぶ内容が偏るリスクが生じやすくなります。公立ならそうした心配がないなど、県立で設置する意味が大きいと言えます。

こうした点から、県立高校の芸術科において他の自治体でみられるような、舞台芸術科を設置する考えはないか・・・質問しました。

答弁は、舞台芸術家など芸術に関する学科の新たな設置については、現状では難しいというゼロ回答で、この質問、勝ち負けで言えば、私の完敗となります。しかし、芸術教育の重要性を踏まえ、今後も芸術に関する学科やコースの一層の充実を図るとも答弁。そこでは、既存のインフラを活用するとの回答もありました。

そうした意味で千葉県には、舞台関係のカリキュラムがまったくない訳ではありません。県立松戸高校では、選択科目で演劇を履修でき、それを目指して受験する生徒が多いそうです。予算上で難しいなら、松戸高校の取り組みを広げるといった選択肢もあるでしょう。財政的に厳しい現実はありますが、既存のインフラである松戸高校の演劇に対する取り組みを広げて欲しいと要望しました。

今回の質疑では完敗ながら、可能性はゼロではなく、糸口らしきものは見えているため、この部分を大切にして、今後もこの問題に取り組みたいと思っています。そして、芸術関係に関する施策は森田知事の任期中ではないと、実現が難しいと思っており、自席から知事にも直接訴えかけました。