【真実を発信339】県立松戸高校を視察、独自カリキュラムで演劇学習

本日は、同僚の川井友則県議(松戸市選出)と県立松戸高等学校を視察しました。同校は普通科と美術科が併設されていますが、それだけではありません。千葉県内で唯一、「演劇科」を教科として取り入れている高校として知られています。

私は6月定例議会において、県立高校の舞台芸術家設置を質問として取り上げました。その質問に対する答弁は、厳しい財政状態もあって、芳しいものではなかったものの、「芸術教育の重要性を踏まえ、今後も芸術に関する学科やコースの一層の充実を図り、そこでは既存のインフラを活用する」としていたのです。

この既存インフラを活用するという点で県立松戸高校が持つ意味は大きいでしょう。同校では選択科目で演劇を履修でき、それを目指して受験する生徒が多いそうです。答弁を受けて、私は既存のインフラである松戸高校の演劇に対する取り組みを広げて欲しいと要望しました。

さて、松戸高校のカリキュラムですけど、普通科の生徒は、2学年に進級した際、選択で「演技基礎」(2単位)を履修できます。さらに、3学年では自由選択として「戯曲研究」(1単位)、「演劇身体訓練」(1単位)、「演技実習」(4単位)、「演劇表現」(2単位)の中から、最大で4科目8単位の履修が可能。芸術科の生徒も3学年で「演劇表現」を普通科の生徒とともに選択することができます。

指導するのは、平成21年(2009年)に教科「演劇」を新設してから教鞭を取る見上裕昭先生。見上先生は、かつて特別研修生として「北区つかこうへい劇団」に所属したことがある俳優であるほか、劇作家でもあります。国語科の教諭でもあり、当初は、国語科における設定科目でスタートしました。

この授業の取り組みに対してプロも注目しており、平成22年度より、日本で初の劇団青年座研究所の指定校となり、毎年卒業生の進路となっています。さらに、文学座や宝塚を目指す生徒もいるなど、千葉県における演劇教育のメッカと言ってもいいかもしれません。

授業を行う演劇実習室は、芸術科のデザイン室をリフォームしたとか。以前、都立総合芸術高等学校を視察した際、リニューアルする前の工業高校時代の武道館を教室に転用するなど、既存の施設を活用しています。

ただ、ここでの大きな悩みは、通常の教室において電源は20アンペアとなっているため、2部屋をリフォームした演劇実習室の電源は40アンペア。照明などを使う際、それだけでは足らないため、他の教室などから借りる形で必要な電気を確保しているそうです。松戸高校の演劇教科を充実させる第一歩として、この電源の改善が必要と感じました。

さて、同校の岡村雅人校長先生、見上先生からお話を聞いた後、実際の練習風景を見学させて頂きました。明日(17日)からの3日間、同校演劇実習室にて、見上先生の書き下ろし作品「夢に向かって若大将!」の記念公演が行われ、生徒たちはその稽古に励んでいたのです。見上先生の指導の下、皆、熱心に取り組んでいて、私と川井県議は、素晴らしい演技に胸を打たれました。明日からの公演は入場は無料。近隣の方、是非ご覧になって下さい。

稽古の様子は以下に写真をいくつか添付しましたので、ご覧になって下さい。

先述した通り、現状では、総合的な舞台芸術学科の設置は、県立高校では難しい状況ですが、そうした中で、県立松戸高校の取り組みは、演劇を志す生徒にとっては貴重な存在と言えるでしょう。舞台芸術学科の設置を働きかけつつ、同校の演劇学科の充実に政策面で取り組んで参ります。

今回の視察は、私が質問したことに注目して下さった見上先生のお声掛けによって実現しました。貴重な時間を割いてお話頂いた岡村校長先生、視察をセッティングして下さった見上先生、そして目の前で熱演してくれた生徒の皆さんに、この場を借りて改めてお礼を申し上げます。