少し前に島田紳助氏の引退が話題になりましたが、その理由とされたのが反社会的勢力である暴力団と関わりがあったという点でした。世の流れは、暴力団を排除する方向にあると言っていいでしょう。
そうした中、千葉県では今年9月から千葉県暴力団排除条例が制定されました。今回の代表質問でも取り上げましたが、その目的について県警本部長は「県民の平穏な生活および、事業活動の健全な発展に社会全体で暴力団排除を推進するための条例」と答弁しました。
暴力団がなかなか排除できないのは、水面下で協力者がいることが大きいとされています。自分から進んで、いわゆる“みかじめ料”を払うケースが後を絶たないなど、必要悪との感覚から利用してしまう人が多い──こうした例をなくそうというのが条例の狙いです。
具体的な条例の内容として、暴力団事務所に使用されることを知りつつ不動産譲渡などの契約をすることの禁止や、暴力団への利益供与等の禁止などが盛り込まれました。“みかじめ料”は払えなくなったのです。
もっとも、これらは脅されて仕方なく──といったケースも少なくありません。しかし、脅されてなら脅迫罪が適用されるため、脅されて、自発的、いずれも暴力団に資金がいかないように法で定めた格好と言えるでしょう。
これらに反した場合、懲役などの罰則規定は設けていませんが、違反行為があった場合、止めるように勧告することが出来るようになりました。県警本部によると、勧告に従わない際は、公表という措置が設けられているため、社会的な制裁を受ける可能性が高くなる──そうみることができます。
(水野 文也記す)