選挙の時に公約の1つとして「人件費の削減」を掲げました。みんなの党が主張する行政改革の一環ですけど、千葉県議会で4人の少数勢力で、これを実現するのは容易ではありません。ですが、「点滴石を穿つ」という言葉があるように、今はダメでも少しずつ行動することでいつかは・・・そんな思いで諦めず、今回の一般質問においても取り上げました。
とは言え、毎回、同じ趣旨、根拠を提示しては、同じ答弁が返ってくるだけで、生産的な行為とは言えません。そこで、今回は切り口を少し変えることにしました。さらに、3月の予算委員会では明らかになっていなかったデータを根拠に切り込んでみたのです。
前回の根拠は、国の7.8%引き下げを基に、いわゆる国公準拠の観点から取り上げましたが、今回は3月16日に総務省が公表した千葉県のラスパイレス指数が全国第4位である点を踏まえ、引き下げる考えはないか・・・と問いました。
答弁の内容は・・・これまでと大きく変わるものではありませんでした。
そこで、私は質問の切り口を変えてみました。人件費を下げないで済むにはどうしたら良いのか・・・ひと言で言えば、県税収入を増加させるよう、千葉県を発展させれば良いのです。
しかし、これまでの産業政策はどうだったでしょうか。かずさアカデミアパークなどの失敗、昨年はパナソニックの茂原撤退騒動も起きました。とても、千葉県を成長させたと言えないでしょう。一般企業であれば、施策に失敗して業績が悪化した場合、給料が下がる・・・こんなケースが少なくありません。
被災県で職員が歯を食いしばって頑張っているから・・・これも人件費を下げない理由として挙げる当局の見解です。民間では「頑張っている」だけでは評価されず、結果を伴って初めてインセンティブを得ることができる・・・そう、民間サラリーマンからみて、この見解は納得できるものではないでしょう。
私が問題として指摘した経済政策は、いずれも森田県政となる以前からの政策であり、給与を引き下げないのであれば、結果を伴うような成長戦略を森田知事に打ち出して欲しいですし、そのために筆者も微力ながら一生懸命応援したいと思っています。ただ、現状のままでは、今後も人件費引き下げについて、議会で取り上げざるを得ません。
さて、人件費問題では「わたり」についても質問しました。
千葉県では昨年まで、総務省が指摘したように「わたり」の制度が、全国で唯一残っていたのです。具体的には、在職している職よりも、高い給与を受け取っている職員がいました。
廃止とともに県では、経過措置を実施。これがどうなっているのか質問したところ、当局の答弁は「職員の士気への影響や他団体における見直し状況を踏まえ、平成24年4月1日時点で、在職している職における職務の級よも上位の職務級に格付けられている職員は、当分の間、その職務の級に格付けすることができるよう経過措置を設けているところです」でした。
急に給料が下がるのは、その人の生活もあるで理解できないこともありません(これも民間に照らせば、甘いと思われますが)。しかし、中には経過措置とならないケースが出てくる可能性あるのです。
わかりやすく言えば、この経過措置、自分の給料に見合った職務の級まで“出世”すれば、そこで経過措置は終わるのですが、定年まで職務の級に到達しない場合、事実上の貰い得・・・つまり、経過措置にはならないのです。
そこから、経過措置は適切ではないと考え、見直す考えはないのかと問いたのですが、それに対して当局は「繰り返しになりますが、今回の経過措置は、職員の士気が低下しないよう、また、他団体における見直し状況を踏まえ、設けたものであります。今後、経過措置の対象となる職員は、上位の職への昇任や退職により、徐々に減少していくことから、現時点において、経過措置の見直しは検討しておりません」と答弁しました。
筆者は、退職により減少・・・この点が問題と指摘したのです。
厳しい言い方をすれば、「わたり」は本来、税金から支払うのは適切ではない・・・という視点から廃止となった訳で、逆説的には、これまで支払った超過分については、県民に返還すべき性格のものなのです。
これを読んだ方の中には、筆者が甘いとご指摘される方もいるかもしれませんけど、現実的な視点で、生活の困窮を招きかねない、返還という厳しい措置を講じろと言っているのではありません。経過措置を行うにしても、本来支払うべきでない分を受け取ったまま退職するケースが出る恐れがある・・・これが問題と指摘したのです。
1兆6000億円の県予算から見れば、小さな額かもしれませんが、県民の感情を逆なでするような施策は改めるべき・・・今後も、こういった問題を議会で取り上げていきたいと思っています。