いじめをはじめ教育問題が話題になっていますが、地元の市川市でも昨日、市内のある中学校で起きた暴行事件が報じられました。
新聞報道によると、事件が起きたのは昨年10月20日。中学2年生の男子生徒が同級生ら6人から呼び出しを受けて、2週間の打撲を負ったとのことです。これはあくまでも記事にあった内容で、関係者にヒアリングしたところ、そんな程度ではなかったとか。新聞の情報源は、警察は捜査中の案件に関して詳細に語ることはないと思われるため、その中学校サイドと推定され、その点から今回の件について保護者や周辺の住民は市の教育当局に不信感を抱いています。
事実関係を調査するために、私が聞いたのは県の教育庁の関係者や、保護者サイドの関係者で、当事者である中学校の校長など学校関係者から話を聞いた訳ではりません。市の教育委員会関係者に関しては本日、市議会において環境文教委員会が臨時に開催され、そこでの話を市議を通じて聞きました。学校関係者から直接聞いていないため、断定的な記述はできず、ここでは事情を熟知された方がお読みになった場合、物足りない記事と思われる可能性がありながらも、以上の理由からご容赦下さい。
さて、事件後の学校や市教委の対応ですが、県当局が語った話の内容だけでも、姿勢を問わなければなりません。事実関係のみ記せば、警察に被害届が出された暴行事件が起きたのにも関わらず、県が把握できたのが2月13日。つまり、約4か月、正式な報告がなされなかった訳です。
しかも、そのきっかけになったのは、住民から県に通報があり、事を重大と受け止めた県の教育委員会が驚き、指導に乗り出したというお粗末なものでした。こうした市川市の市教委の対応に、県教委も困惑したのは想像に難くありません。その後、2月21日に県は市教委と校長に対し、事情聴取を行ったというのがこれまでの経過です。ちなみに、新聞報道を受けて、学校側は3月19日、21日に予定していた保護者説明会を本日開催しました。また、現在は文部科学省も調査している模様です。
住民感情からすれば、これを隠蔽と記したいところですけど、先ほどの理由から現段階ではそうとは断定はしません。保護者や住民が心配している、荒れた学校の様子を放置していることに関しても、私の心の中では煮えたぎる思いがありながら、ここでは敢えて問わないことにします。しかし、暴行事件という重大な案件が起きながら、通報があるまで上部組織である県に報告しなかった点は、糾弾されてしかるべき事実でしょう。
さすがに県の関係者も、この点に関しては「学校側と市教委が問題を過小評価して捉えている」と厳しく指摘していました。聞くところによると、市川市の大久保市長も今回の件については報道で知ったとか。要は、起きた問題について上部に報告がなされず、新聞沙汰にならなければ、この問題が表面化しなかった可能性もある訳です。隠蔽でなく県が指摘する「過小評価」であれば、能力的、或いは感覚的に市教委に難があると解釈することが可能です。昨年話題になった大津市教委の姿勢に通じるものを感じました。
本当は書きたいことが山のようにあるのですけど、ジャーナリスト出身の性から、事実関係をすべて把握している訳ではない今ここで、現状について、これ以上記しません。今回の問題に関して、わが党の石崎ひでゆき市議が熱心に取り組んでいるほか、市川市議会でも超党派で解決しようとする動きも出ているので、私もサポートしたいと思っています。
おしまいに感想を記せば、やはり、教育制度が疲弊しているということでしょうか。今日1日、いろいろ話を聞いた中で、いくつかキーワードを書けば、「いじめの有無はいいにくい」「学校の面子・保身」「内申書を気にしてモノが言えない」「教職員の人事配置」「校長の花道」「教育困難校・課題集中校・学級崩壊」・・・等々になりますけど、今後、市議会での追及などで問題の全容が明らかになっていくでしょう。
そもそも、学校側や市教委に不信感を抱く保護者が多いことが問題。学校と保護者が信頼関係で結ばれていれば、仮に重大な事件が発生したとしても、騒がれるようなことはないと考えられます。他方、学校の教育現場ではモンスターペアレンツが問題視されていますけど、今回の場合、既に重大な事件が発生している事実だけからも、ここでの保護者の言い分は、決してそれに該当しないと言えるでしょう。
市川市の教育当局や学校側の姿勢が問われる一方、この問題に対して指導する立場にある県教育委員会も毅然とした対応をして欲しいと思っています。