【記者魂50】「トイレなきマンション」

まず、この記事を読んで欲しい。是非、シェアすべき記事と思い、このブログでも取り上げることにした。小泉純一郎元首相が、今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察し、「原発ゼロ」にすべきとの意を強くしたとの内容である。

今もって、その影響力が注目される元首相。反原発派である筆者からすれば、これが現役時代であれば、一気に流れが変わのにと思ったのだが・・・。

この記事を読んで、昨年1月に千葉県議会資源エネルギー懇話会の県外視察で青森県にある日本原燃の再処理施設、リサイクル燃料貯蔵(株)を見学した際のことを思い出した。

ここでは、低レベル廃棄物に関して周辺に地下トンネルを何本も掘り、それを最終処理場としている。一方、高レベル廃棄物については一時的な保管としており、30年~50年の長い時間をかけて冷やし、その後、最終的に処分するというが、その処分場は決まっていない。つまり、この間に最終処分場を国内外に関わらず見付けなければならないのだ。

それゆえに、現在のこうした処理場の無い状況を、世間で「トイレ無きマンション」と呼ぶ。この状況を考えれば、とても、原発推進とは言えないだう。

最終処理場のコストについて、約3兆円必要と試算されているが、視察した時点で、電気料金にこの費用が1世帯あたり年間で500円上乗せされいた。これまに積み立てた金額は8000億円・・・だが、お金の問題ではない。いくらお金を積み立てようが、安全面から受け入れ先が定まらず、「トイレがないマンション」のままでいいはずがないだろう。

原発ゼロにしたとしても、それで話は終わらない。現時点で完全に原発をストップしても、これまでの使用済みの核燃料の処理はしなければならないからだ。ただでさえ、そんな状況にあるのに、さらに“核のゴミ”を増やすなどとんでもないことだろう。

日本原燃の地下トンネルを実際に見学したが、これは、あくまでも一時的な保管場所・・・確かに、記事にあるよな半永久的に保管する構造物など建設することは可能なのか疑問に思える。

 「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」──これは記事中にある小泉元首相のコメントだが、現役時代、変人と称された元首相・・・この発言、至極まっとう、変人のそれとは決して思えない。