【真実を発信230】県土整備常任委員会の県外視察で北海道へ(2)

千葉県議会県土整備常任委員会で行きました北海道の県外視察、今回は後編として再開発、公園、道の駅などの視察について報告します。

まず、市街地再開発の一例として視察したのが、都市再生整備事業として行われた札幌駅前地下歩行空間でした。この事業は、札幌駅周辺地区と大通地区(地下鉄で1駅の距離)とを地下歩道でつなげることによって、両地区で二極化している都市商業圏の回遊性を高め、四季を通じて安全で快適な歩行空間を確保しようとするもの。平成23年3月12日に供用が開始されました。近年の札幌は札幌駅周辺に人が集まっていましたが、大通りに人が流れるようにするため、道路事業として行ったのです。

注目したいのは、あくまでの道路事業であり、「チカホ」と呼ばれるこの地下道は、地下街ではなく地下歩道という点でしょうか。店舗はないながら、沿道ビルとの地下接続や多様な活用を行い、人々が憩い楽しめる空間を創出、活性化に寄与しています。活用例としては、地下広場をイベントなどに貸出しをして、人が集まるようにしました。冬は雪深く寒い札幌にとって、この地下歩道の存在意義が大きいのは言うまでもありません。

これを視察して、私の地元、本八幡の都営新宿線本八幡駅の上部に建設された地下道でした。JR、都営、京成の3駅を結ぶこの地下道は、雨でも降れば、大勢の人が通ります。チカホに比べれば、規模は小さいですけど、地下空間を利用すれば地元の活性化に寄与するのではないかと思いました。

もう1つ大通地区の歩行者増加を狙い、現在整備中であるのが大通駅周辺のオープンカフェ事業。オープンカフェ(食事施設)を特例道路占用区域に建設、地上の公的空間を開放することで、街の活性化を図る事業です。平成24年に社会実験を実施、賑わい創出効果が検証されました。この取り組みも街の活性化事業として注目できます。

公園整備事業では、札幌市内にあるモエレ沼公園を視察しました。豊平川が作った三日月湖を利用し、東京ディズニーランドの3.7倍の敷地に建設されました。イサム・ノグチ氏の最晩年にマスタープランした公園としても知られています。

公園を建設する際、大量の土砂が必要となりましたが、その埋め立てに使用したのが、札幌五輪後に急速に拡大した人口増によって生じた市内のゴミ。昭和54年から11年かけて埋め立てたそうです。

遠方から高さ50メートルのモエレ山を望むことができ、それをみた瞬間、地元市川にある不法残土で出来た”行徳富士”を、同じように活用できないものかと感じました。しかし、これだけの公園、広大な北海道だから出来る・・・すぐに無理だとわかりましたが、自然にあるものを活かして建設する公園の例として参考になると思います。

さて、今回の視察では、道内にある道の駅を3カ所回りました。現在、道の駅は全国に1004駅、北海道は最多の114駅があり、述べ3064万人が利用しています。道の駅は地域おこしの核にもなりする訳ですが、道内ではスタンプラリーを実施、昨年は参加した7590人中、2692人が全駅を制覇したとか。参加者のうち1500人が道外からだそうです。もっとも、道の駅の関係者に聞いたところ、最近では潰れているところも多く、差別化する必要がある・・・とのことでした。

そうした意味で、最終日に視察した「道の駅花ロードえにわ」は成功例と言えるかもしれません。全道114駅の中で、来客数が第4位。恵庭市内を流れる漁川の水辺プラザを併設している同駅の人気のひみつを聞いたところ「面している道路の交通量が多い、人気のパン店が出店、野菜などの直売所」を挙げていました。近隣の小学生が駅の建物の中で、学習の一環として観光客を捕まえては恵庭の魅力を語っていたのが微笑ましかったです。

以上が、今回の視察報告ですが、見聞きしたものを政策に活かしたいと考えています。