決算審査特別委員会、4日目に関する記述は総務部に続き、水道局と商工労働部です。
水道局関連では、私も質問しました老朽化した配水管の更新が話題になりました。平成23~27年度の中期計画において、老朽化した菅の更新計画は321キロ、事業費約450億円を見込んでいます。このうち117キロが完了、進ちょく率は36%、今年度は72キロを予定。金額にして残りの事業費として約300億円が予想されています。
他方、東日本大震災では900件の漏水が発生しましたが、補修はすべて完了。ただ、これらはあくまでも補修の位置づけで、先述した更新工事とは別物・・・当局は「補修は100%完了したが、補修していない部分は耐震化されていない。その部分は(大地震の際には)壊れる可能性もある」と答弁していました。震災時に浦安市で大規模な断水が発生、多くの市民が不便な思いを強いられたことは記憶に新しいことですが、それが繰り返されないよう、当局には配水管の更新を急ぎ進めて欲しいと思います。
商工労働部では、毎年話題になる幕張メッセ・・・新規イベントも増えたことなどから昨年は順調で、稼働率は過去数年で最高の42.5%となりました。ただ、幕張メッセの活性化に対して、当局が根本的に取り組んだかと言えば、疑問の声も上がっています。たとえば、以前から議会でも提言されていた、JR京葉線のりんかい線との直通運転化など実現のメドは立っていません。売却なども含めて引き続き議会でも議論されることになるでしょう。
知事が行う東南アジアトップセールスの効果についても質問が出ました。前年度はタイ王国を訪れましたが、トップセールスによって、直後に梨100ケースの注文が入るなど、同国向け県内農産品は富裕層をターゲットに拡大、訪問後に売上高が3.5倍となったとか。そのほか、34旅行社で117本の旅行が企画され、55人の高校生が印旛明誠高校を訪れるなど、当局は成果を強調していました。
商工労働部で私が質問したのは、中小企業金融と千葉観光公社貸付金の2点についてです。
中小企業金融は、その効果のほかに、審査体制について問い質しました。というのも、たとえば、小規模企業設備導入貸付金事業においては、監査した公認会計士が、1年以内に返済が滞った事案がいくつかあったと指摘。粉飾決算は相手側にも責任があるためまだしも、債務超過の企業にも貸し付けた事業があると聞くに及び、県が資金を助成し貸付けを実際に行う千葉県産業振興センターの監督をしっかり行うべきと思ったためです。返済が1か月滞った時点でヒアリングを実施するなど、滞納防止に乗り出してはいるものの、やはり、審査が重要でしょう。
そもそも、民間金融機関に借りられない企業が主な対象となる事業であり、貸し倒れリスクが大きいのは当然。それを責めるつもりはまったくありません。しかし、1年も経たないうちに滞納が発生するもは問題・・・いかに、厳しい資金事情のところに貸すと言っても、税金を使っている事業のため、与信をきちんと行う必要があります。審査を必要以上に厳しくする必要はないながら、モラルハザードが起きないように対処して欲しいと要望しました。
問題という意味では、もう1つの質問である千葉県観光公社への貸付金が深刻だと思います。
概要を説明すると、経営悪化のため、県が公社に貸し付けていた3億円が、昭和62年から20年以上、無利子、しかも返済猶予・・・いわば、県の貸付金が“塩漬け”状態になっていたのです。それが、公社が一般財団化されたことに伴い、昨年から3億円を15年で均等返済することで合意。その初年度となる24年度は、2000万円が返済されました。
ところが、この貸付金、無利子のまま。公社ならばまだしも、人もお金も引き上げ、県の外郭団体ではなくなり、その関係も希薄なものになったのもに関わらずです。しかも、財務諸表をみると、24年度末に8億5000万円の現預金を保有。買掛金などの流動負債は年間1億1000万円程度であるので、財務状況からも優遇する必要が感じられません。これは、外部監査を行った公認会計士も指摘していました。実際、正味財産増減計算書を調べると、24年度から新たに支払い利息の項目が加わり、480万円を計上、他の金融機関には利息を支払っているのです。
県当局は、これについて「地域の経済に貢献しているため」と答弁していましたが、冗談を言ってはいけません。それならば、地域経済に貢献している企業なら無利子で貸し付けるのでしょうか?いったん契約を結んだため、おそらく有利子への条件変更は難しいと思われます。このような経済合理性から説明できない行為を糾弾しました。こうした例を1つでも作ってしまうと、商工労働部に限らず、それを前例に似たようなことが起きるかもしれません。いい加減で県民の不利益になるような事例を作らないで欲しいと当局に訴えました。
次回は5日目の審査について記します。