【真実を発信310】最後まで避難を呼びかけ・・・地震津波議連の視察(3)

視察の三カ所目は南三陸町。ここも巨大津波で壊滅的な打撃を受けました。

南三陸町は人口が約15000万人で漁業の町です。ここを襲った津波の高さは15~20メートル。被害状況は、死者1063名、行方不明者35名、住宅の被害は全壊が3161戸、大規模半壊が92戸、半壊が59戸、一部損壊が1180戸で、経済的な被害は1000億円以上と推定されています。

仮設住宅は、町内に58か所、町外に3か所で2274軒。道路の大半はかさ上げ工事が完了していますが、他の地域と同様、街つくりという観点では復興が遅れていると言っていいでしょう。当然のことながら、復興が急がれる地域と言えます。

南三陸町では、写真にも示した防災庁舎がシンボリックな存在で、ここと前回記した大川小学校にはこれまで全国から慰霊に大勢訪れました。シンボリックと記しましたけど、現在、この庁舎を残すべきか撤去すべきか・・・議論になっています。

塩釜ボランティア「希望」がまとめた資料や、視察中に聞いた話によると、町役場と隣接するこの防災庁舎に勤務していた職員43名が犠牲といいます。中でも、職員の遠藤未希さんは、最後まで避難を呼びかけ、津波でお亡くなりになりました。佐藤仁町長も最後まで残って陣頭指揮を取り、屋上の無線アンテナにしがみついたことで助かったそうです。

昨年、訪れた宮古市の田老地区では、仮設商店街「たろちゃんハウス」が運営されていましたが、ここ南三陸町でも「南三陸さんさん商店街」が運営され、商売が行われています。目を引く駐車場にあるモアイ像・・・イースター島の石で作られているそうで、チリから友好のシンボルとして贈られました。

さんさん商店街では、実際に買い物をしましたが、お店の人たちが明るく応対してくれました。魚屋さんでは、名物のホヤを目の前で調理。昨年の「たろちゃんハウス」を視察した際もそう思いましたけど、早く元通り商売できるようにと願うばかりです。