【真実を発信403】災害の際に飼い犬も避難させたいが・・・

犬を飼っていらっしゃる方から、ご相談を受けます。1つは犬を思い切り遊ばせる、いわゆるドッグランをもっと充実させることができないか・・といった質問。ドッグランとは、自由に愛犬を放して運動させる施設のことで、地元の市川市が運営するものとしては、二俣、塩浜の2か所に設置されています。

市内にあるドッグランは、利用者による「自主管理方式」で運営されており、利用する際には会員登録をした上で、飼い主、犬ともに要件を満たさねばなりません。このうち、二俣のドッグランに関しては、福島第一原子力発電所事故の影響により発生した汚泥を市川市衛生処理場敷地内で保管することにより、休止していることから、現在、利用できるのは塩浜の施設のみです。

二俣の再開が待たれるところですが、北部地域の利用者にとって、塩浜まで行かねばなりません。土地の問題もありながらも、市民の利便性を考慮すれば、市内中部・北部地域にも施設が欲しいところ。「たかが犬」と思う方もいるかもしれません。しかし、飼い主にとっては家族も同然に可愛がっている方も多く、行政に考えて欲しいと思っている方が多い要望事項です。

調べたところ、屋内運動施設が八幡・菅野地域にありました。ペットランド・パウハウス八幡店内に、ドッグラン用のスペースが設けられています。ただ、店内の空きスペースを使用しているために狭く、実際に拝見させて頂いた感想は小型犬専用といった趣きでした。

他方、飼い犬について、心配する方が多いのは災害時の対応です。大災害が起きた場合、避難所に逃げることがありますが、現在の制度では、飼っている犬を連れて行くことはできません。愛犬を愛しく思うあまり、東日本大震災時には「犬を連れて行けないなら私は残る」・・といった例が少なくなかったそうです。

パウハウスの店長にお聞きしたところ、保健センターなどから災害時にペットの一時避難所として受け入れてくれないか──といったオファーがあったそうですが、いざ災害が起きた場合、店側では逆に”ホテル”で預かっている犬をいかに無事飼い主に引き渡すかが重要であるとしていました。受け入れるとしても、災害が落ち着くまでに何かあった場合の責任を受け入れ先が担うのは酷とも思われ、行政がこれをベターな政策とするのであれば、この部分をきっちり民間と煮詰める必要があると感じました。

千葉県議会に限らず、地方議会の多くで”犬”が取り上げられる場合、その多くは捨てられた飼い犬などに対する”殺処分”回避といった、動物愛護の視点からが多いのですけど、その一方で、飼い主からの要望は多岐に及んでいるため、飼う側に立った政策の充実も必要と思っております。

パウハウス八幡店内部にあるドッグラン

パウハウス八幡店内部にあるドッグラン